家庭科実践から学び、生活に活かす

衣食住などに関する具体的な活動や体験を通して、家族の一員として日常生活に必要な基礎的な知識や技能を身に付けさせています。
あわせて、仲間と協力することで、集団(班・学級・家庭)の中の自分の役割を自覚し、家庭生活をよりよくしようとする実践的な態度を養っています。

内容構成

概要

5年生では基礎を中心に、6年生は応用を中心に学習しています。
食分野では、切る、ゆでる、いためるなどの基礎的な調理技術を学びます。
裁縫では、手縫いやミシン縫いを行います。
これらの体験を通して、家庭生活で大切なことを学びます。

学びあう

家庭科は生活と直結した科目です。ただ知識を学び理解しただけでは、「家庭科を学んだ」ということはできません。初等科の家庭科では、自分の生活態度を見つめ、学んだことを「生活に活かす」ことを大切にしています。
そのために、実際に手を動かして作業する場面や内容を、できるだけ多く取り入れています。そして、仲間と教えあったり協力しあったりしながら、作品を作ったり料理をしたりするようにしています。
このような活動を通して、児童はそれぞれの技術を習得するだけでなく、仲間と協力することのすばらしさも体得します。

生活に即する

学習を生活に生かせるような内容を積極的に扱っています。6年生の沼津海浜教育に向けて、現地で使用できる雑巾をぬったり、今の家屋と比較しながら昔の日本家屋の良さを学んだり、そうじや手洗いの理論を学んだりします。そして、実際の生活を通して改めて体験することで、家庭生活にも生かせるようになっていきます。
長期休暇中には、家の手伝いを課題として出すことがあります。どんなに小さなことでもよいので、家族の一員としての自覚を持ったうえで仕事ができるように促しています。

授業

近光園(学校菜園)で収穫する作物を使った調理実習
ダイコンの葉を使った調理実習の様子 ダイコンの葉を使った調理実習の様子。ちりめんじゃこや油あげと一緒にいためています。
6年生は理科の学習で、サツマイモやダイコンを育てています。これらの食材を調理実習で積極的に使います。
児童は、ふだん食べている食物がどのように成長して収穫できるようになるのかを学び、収穫することの喜びを味わいます。そして、家に持ち帰った収穫物を自分で調理することで、調理についての自信とその意味についての理解をさらに深めます。
例えば、ダイコンについては葉を使った調理を行っています。葉つきのダイコンが店頭に並ぶことが少なくなっていますが、葉の部分は栄養が豊富で、昔はよく食されていました。

育てたものを無駄なく食べることは、栄養を摂取できるだけでなく、野菜くずを出さないという環境に配慮した調理法でもあります。
また、植物も生き物です。その命をいただいているということからも、食べられるところは無駄なく食べる、ということを意識させています。
給食と連携した食生活の学習
栄養士の授業の様子 栄養士の授業の様子。栄養士は調理実習時も積極的に関わっています。
給食は、学校生活の一部として児童の意識に根付いていることから、健康な食生活を考える上での優れた食事モデルともなります。
本校の昼食は自校で作った給食です。そこで、栄養教諭の免許を持った栄養士といっしょに、給食の献立を考える学習を行っています。
ただし、自分が食べたいものだけをそろえていては、給食にふさわしい献立にはなりません。「どのような献立が給食にふさわしいのか」ということから、健康な食生活についての考えを深めていきます。
具体的な手順としては、まず、主食・主菜・副菜をそろえ、5大栄養素のバランスを整える必要があります。次いで、旬の食材や季節が感じられる食材を使ったり、行事に合わせたり、いろどり豊かな組み合わせにしたりと、様々なことを考え、クラス全体で議論を重ねながら1食分の献立を決めていきます。

栄養バランスが整っていて献立にふさわしい、と栄養士が判断したものは、実際に給食に出すこともあります。毎日食べている給食に自分たちが考えた献立が出るかもしれないとあって、児童はやる気満々です。
米の学習
5年生では、社会科で稲作について学びます。また理科では、希望者に稲のもみや苗を配り、児童は自分の家で「バケツイネ」を育てて収穫します。
家庭科では米飯とみそ汁を作る調理実習をします。米は、炊飯器ではなくガスの直火で炊きます。みそ汁は、化学調味料ではなく煮干でだしをとります。
いつもより質素なはずの食卓ですが、児童にとっては何よりのごちそうです。直火で炊いたご飯の香ばしいかおりと自然のだしのかおりに、歓声が上がります。
このように、児童は日本人の主食である米について、いろいろな方面から学んでいきます。
手縫いの作品作り

5年生では、手縫いを学習します。
既製の布製品が安価で手に入るようになり、家庭で裁縫をする機会が減ってきています。しかし、5年生で学習する裁縫の技術は、大人になっても役に立つものです。また、裁縫は、技術を学ぶだけではなく、集中力を養うことにもつながります。

初等科祭で展示されたポケットティッシュケース 初等科祭で展示されたポケットティッシュケース。布の色やししゅうの色(名前など)は子ども自身が選びます。

針と糸を使うことが初めての児童にとっては、針に糸を通して玉結びをするだけでもひと苦労です。そのような中、班の中で協力しあいながら基礎技術を身につけていくようにしています。
具体的には、ポケットティッシュケースを作ります。小さい作品ですが、裁縫の基礎的な技術が盛り込まれているからです。また、普段の生活で使えるものなので、作る喜びはもちろんのこと、作ったものを使える喜びを味わうことができます。

ミシン縫いの作品作り

6年生では、ミシン縫いを主に学習します。
ミシンを使うと、正確な縫い目で素早く丈夫に縫うことができ、裁縫のバリエーションが大きく広がります。
ミシンは一人一台あります。一人ひとりのペースに合わせて、順番を待つことなく作業することができます。

初等科祭で展示されたハンカチを使ったきんちゃく袋 初等科祭で展示された、ハンカチを使ったきんちゃく袋。ハンカチは藍で染めます。

教室

総合教室の机 総合教室の机(天板を開けたところ)
家庭科室と理科室の両方の機能を持つ「総合教室」で学習します。
裁縫や調理の作業では広いスペースが必要です。そこで、大きめの机を設置し、机間の通路もゆったりとしたつくりにしてあります。
調理の場合は、机の天板を開くと、衛生面に配慮した全面ステンレス張りとなり、流しとガスコンロが現れるようになっています。各机に流しとガスコンロを設置することで人の動きが少なくなり、安全かつ効率よく調理実習を行えるようにしています。