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経営学科 白田由香利 教授

学習院大学理学部物理学科大学院修士課程修了、東京大学理学部情報科学科博士課程修了。企業にて約10年の研究生活の後、2001年学習院大学経済学部助教授、2002年同教授に。2006年9月から半年間、イギリス、オックスフォード大学客員研究員として活動。
研究分野はWebデータの可視化、ソーシャルメディア解析、経営数学の視覚的教授法。

【この道に進んだきっかけ】
18歳からコンピューターを使いはじめ、大学生のときには週刊朝日に記事を連載するほどのマイコンおたくに。大学で厳しくしごかれた数学と合わせ、コンピューターを使って数学を教える道に。
数学の楽しさを伝えるコンピュータでわかる数学 白田教授は、数学が苦手な人でもひと目で経営数学を理解できるよう、コンピュータを使って数式をグラフィクス化するという方法をとっている。
日本の学生の数学能力は急落している。それを止めたい、というのが白田教授の願いだ。経済学部を志しながら、数学に対する苦手意識をもつ人も少なくない。教授は、数学は決して難しいものではないということを全く新しいアプローチで伝えている。それこそ、コンピュータによる数学プロセスの可視化(ビジュアライゼーション)だ。

経営数学のセンスを身につけるということ

まず最初に、経営数学というものが高校までの数学とどう違うのか、白田先生の解説を伺おう。

「たとえばこの会社の儲けはどういう数式で表せるかな、ということを考えるのが経営数学です。もし金利が動いたら、その会社の利潤はどう変わるかを数式化する。一般的な数学であれば、たとえばある関数を使って数式を表した場合、本当にその関数通りになる。でも経営数学では、必ず『近似』なんです。金利がこのあたりならば実際の世の中の動きはこんな関数で近似できるかな、というふうに数式を使う。予想よりも金利が大きく動いてしまうと、その数式は成り立たなくなる。現実の社会に即しているのが経営数学の特徴です」

そんな経営数学を学生たちが徹底的に理解できるよう、学習院大学の経営学科では、他大学では類を見ない少人数の数学演習を行っている。

「私を含めた四人の先生が受け持つ『経営数学入門ABCD』という科目は、経営学科の1年生が履修できます。1クラスは30人まで、一人一台のコンピュータで、グラフィクス教材を使い、先生やティーチングアシスタント(TA)の大学院生などとゆったりお話しながら演習を進めていきます。日本の数学は目の前の数学問題を急いで解くという科目になっていますが、このクラスは先生と対話しながら、数学をゆっくり考えながら解いていきます。高校までの数学とは違う数学を体験してみたい人、数学ができるようになりたい人、経営数学のセンスを身に着けたい人にぴったりの授業です」

e-ラーニングのシステムも確立していて、授業後もいつでも教授に質問することができ、その質問と回答のビデオをweb上で質問者以外の誰でも見ることができる。とにかくわからないことはいつでもなんどでも確かめる術が用意されているのだ。


一人ひとりにわかるまで教える白田先生。大学の授業というよりマンツーマン教育のようなスタイル。
この授業は教える手間がかかるので13人しか取れません。

現場の声を聞くことで、教育の力が深まる

ビジュアル化された数式の図

前述の「グラフィクス教材」こそ、白田教授が数学をひと目で理解できるための方法として見出したものだ。数学プロセスを可視化(ビジュアライゼーション)する、つまりグラフィクスで説明する。数式を三次元グラフィクス、アニメーションで見せるのだ。これにより、数式を目に見える形で把握することができる。

白田ゼミの場合、1年生で経営数学のセンスを身につけた学生たちは、2年以降のゼミでは各々がテーマを見つけて分析し、その結果をグラフィクスで表すという作業を行っている。たとえば2012年度は、震災後の日本の経済状況について、それぞれが分析を行っている。

「グラフィクスを使って実際に数式が形になって動いているのを見ると、難しくてわからないことでもわかるようになる、というのがポイントです」 その代表格がブラック=ショールズ方程式。これは、金融に関する数学に出てくる、大変難しいとされる方程式だ。金融の世界でも一握りの人間がブラック=ショールズ方程式を基本として様々な金融モデルをつくっているという現状。そんな方程式を理解しようと、日本の第一線で働く金融マンたちが白田教授の大学院の授業に詰めかける。

「金融マンの方たちは、自分もブラック=ショールズ方程式を理解できたらどんなに気持ちいいだろう? とやってくる。そしてみなさん睡眠時間を削ってきてくださっているので、教える私も真剣ですが、グラフィクスで見て『本当にわかった!』と帰っていかれます」

高校の数学でつまづいた新入生から、高度な数学で金融を動かしている社会人まで。白田教授はどんな人にも、等しく熱をもって教える。

「数学で困っている人が理解できて喜んでもらうことが我々のミッションです。その価値は、数学のレベルには関係ありません」

数学のe-Book
オライリージャパンから2012年にe-Book 「感じて理解する数学入門」を出版。完全に電子のみで販売。webブラウザ上で動かせるWolfram CDF形式のグラフィクス教材が入った世界発の電子書籍。「日本で数学グラフィクスの動く電子書籍を出版することの苦労をリアルに体験しました(笑)」

インドネシアに広がる「見える数学」

白田教授は2012年から、この新たな方法による数学の授業をインドネシアでも展開している。四回目となる2013年2月28日には、インドネシアのNo.1であるインドネシア国立大学工学部電子工学科の学生に『Understandable Visualization of Economics Mathematics』というタイトルの講義を行った。

「日本人はもっと東南アジアのことをよく知らないといけないかも、との思いから、自分にできる『数学を教えること』をインドネシアで実践しています。学生たちはとても数学に対して優秀で、また、私のつまらないパンジョークに対しても笑ってくれる乗りのよい、素敵な皆さんです。今回は、学長付国際研究交流オフィスの協力を得て、ゼミの優秀な学生二人にティーチングアシスタント(TA)として働いていただきました」

講義は全編英語。「数学がわかって嬉しい」気持ちは万国共通。TAを務めた学生は、このために英会話の特訓も行った。インドネシア大の学生からの質問にも必死で応えたという。彼らにとっても大きな実りある体験になることだろう。

「インドネシア、面白いですよ。インドネシアで数学を教えるという活動は、今後も続けていきたいと思っています」


白田教授の講義を受けた学生たちと一緒に。前列中央がTAとして参加した白田ゼミの学生。


インドネシア国立大学のリリ教授と白田教授。リリ教授は、インドネシア国立大学の情報システム系学部全体のCIOならびに代表を務めている。

タイのSNS書き込みを分析

アジアとのつながりは、それだけではない。現在白田教授が手掛けている中に、タイ・チュラロンコン国立大学との共同研究があるのだ。内容は、「震災後のソーシャルネットの書き込みのテキストマイニング分析」。東日本大震災の直後、タイの人たちが日本の状況についてソーシャルネットワーキングサービスにどのような書き込みをしたかを分析するもの。

「タイでは、日本以上にソーシャルネットワーキングサービスが普及しているんです。TwitterやFacebookももちろん盛んですが、タイ独自のローカルなサービスが最もユーザー数が多い。それらの書き込みを解析します」

テキストマイニングとは、人力で膨大な書き込みを読むのではなく、日本語処理機能を使って何が書いてあるのかを機械が分析する、マーケティング分析に用いられる技術だ。タイ語に対しては、タイ語の形態素解析ツールを使う。

「震災後にどんなふうにタイの人が応援してくれたのか。やはり解析すると国民性が見えてきますね。こうして東南アジアのことを知るのは、きっとゼミの学生にとっても意義のあることだと思います」

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