博士前期課程においては、グループによる演習や個別的指導を通して、学生が修士論文または特定の課題についての研究の成果を仕上げるための力をつけられるよう教育課程を編成し実施します。
また、他大学院研究科との相互交流協定を結んでおり、相互の履修及び単位の修得が可能な仕組みを設けております。
既存の「研究者養成コース」に加えて、2008年度より「専修コース」を導入しました。経済学研究科では、社会人入学希望者に対しては、従来より社会人入試を行い、博士前期課程修了(修士号取得)後は社会で活躍することを想定する教育を行ってきました。「専修コース」は、これを社会人以外の入学者にも広く適用することを目指しています。「専修コース」修了後は、2年間の教育で学んだ知識を生かして、公務員としてあるいは実業界で働くことが期待されています。
入試時に示された希望研究分野を基に、入学時に3名の教員からなる指導グループが形成されます。1年目の指導(講義の履修ガイダンスを含む)はこのグループの教員が行います。1年目の終わりに、学生の希望(第1希望指導教員と第2希望指導教員)と成績を基に、2年目の指導グループが選出されます。また、指導教員は、このグループから選出されます。ただし、希望の教員に指導にあたれない場合もありますので注意して下さい。
専修コースでは、修士論文に代わるものとして、「特定の課題についての研究の成果(リサーチ・ペーパー)」を課します。リサーチ・ペーパーには以下のような具体例が挙げられます。
サーベイ論文 | 内外の先行研究を取りまとめ、対象となるテーマについて、より広い視点から理解を深める。 |
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実証分析 | 先行研究の手法をほぼそのまま応用し、対象となる時期や、対象となる変数やデータを変える事で、従来の結果の妥当性を検証したり、拡張したりする。 |
フィールド・ワーク | 先行研究に基づき、それに関連する実例を調べ、ケース・スタディーとして考察を加える。 |
専修コースは終了後に社会で活躍する人を対象としているので、コースを修了した後に、博士後期課程へ内部進学することはできません。博士後期課程に進むには、研究者養成コースに転籍する必要があります。このコース変更の機会は年2回設けられています。
博士後期課程は、博士前期課程での研究成果を土台に、いっそう専門度の高い博士論文を仕上げるための指導を行う教育課程を編成し実施します。また、他大学院研究科と相互交流協定を結んでおり、相互の履修及び単位の修得が可能な仕組みを設けております。