専攻紹介 身体表象文化学専攻の概要
| ■ 何をどう学ぶのか? | ■ 専攻の特色 | ■ 進路について | ■ カリキュラム | ■ コラム |
何をどう学ぶのか
本専攻は(1)舞台芸術、(2)映像芸術、(3)マンガ・アニメーション、(4)身体表象文化論、(5)身体表象文化史という5つの分野を柱としています。このうち本専攻の基礎的な理論的枠組みを提供するのは(4)身体表象文化論と(5)身体表象文化史です。本専攻に所属する学生はこの基礎理論を習得しつつ、具体的な研究対象を(1)舞台芸術、(2)映像芸術、(3)マンガ・アニメーションから選択して研究をおこない、修士論文および博士論文を執筆することになります。
(1)舞台芸術、(2)映像芸術、(3)マンガ・アニメーションの分野では「演習」と「批評研究」の2種類の科目を設置しており、演習科目では専門分野における基本的知識の確実な習得、批評研究科目では応用能力の開発と批評技法の習得を目指しています。なお基礎理論分野の(4)もしくは(5)を選択して、修士論文と博士論文を執筆することも可能です。この5分野以外にも、身体表象の制度的な枠組みを研究する「表象文化制度論演習」を設置しており、現場からの視点など、身体表象文化へのより広い、より具体的な視野を獲得することができます。
専攻の特色
学習院大学大学院には7専攻課程があります。しかし、20世紀後半から、そうした個別化した専攻では十分に扱いきれない学問の領域が明らかになってきました。それを私たちは「身体表象文化」と名づけ、その領域を横断的に研究する専攻課程を創始しました。19世紀的な学問の中心にあるのはテクスト(文献、言葉)です。しかし、現代文化は表象(イメージ)抜きでは論じることができません。20世紀に発展した映画、アニメーション、マンガなどの芸術は、現代文化のなかに巨大な位置を占めていながら、これらを互いに関連づけ、先行する演劇など表象芸術の新たな展開として研究する場所がほとんどありませんでした。私たちの「身体表象文化学専攻」はその空白を埋める学問の場所です。
また、生身の役者が世界を表象する演劇、スターの身体が魅力的に映しだされる映画、キャラクターが時空を超えて活躍するマンガ・アニメーション。これらはすべて身体とイメージを重要な出発点とし、現代のメディア環境や産業にまで大きな影響を及ぼしています。そこではいったい何が起こっているのか?「身体表象文化学専攻」は、この、実感としては分かっているが学問的には未知の領域の探究に乗りだそうとしています。
そして、言葉と理性の絶対化からは見えてこないイメージや身体の文化的可能性について、研究の基盤を提供することも本専攻の目的のひとつです。そのために、身体表象文化の歴史や理論も深く学んでいきます。この遠大な目的のために、本専攻はさまざまな分野で活躍する一流の研究者を揃えました。学生の皆さんもその連係のなかに飛びこんで、現代文化の最先端と本質を自分自身の身体と頭脳でとらえてほしいと思います。
身体表象文化学は舞台芸術、映像芸術、マンガ・アニメーションを対象とし、イメージ媒体として身体が作り上げてきた文化的意味を問い直す新しい学問領域です。本専攻では、舞台芸術、映像芸術、マンガ・アニメーションという領域を言語、地域、専攻領域を超えて、身体と関わる文化学として有機的に組み合わせ、より幅広く、より深く学べることが本専攻の特色です。したがって演劇、映画、マンガ・アニメーションに関心のある方で、これらの対象を身体と関わる文化背景から研究してみたいという方には最適の専攻です。
修了後の予想される進路
本専攻は演劇、映画、マンガ・アニメーションの領域において、批評研究活動をおこなう人材をシステマティックに育成する全国でもきわめてユニークな教育機関ですので、将来この領域で国際的に情報発信する人材の育成が期待できます。従来の専攻領域・専門分野では充分な教育ができなかった対象について、専門的な知識をもつ研究者を育成し、舞台映像関係の分野で文化事業に関わる職を志す人材や、現行の学芸員資格がカヴァーしていない職種で活躍しうる人材を育成していきます。
カリキュラム
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コラム
マンガやアニメの学科を設ける大学はかなりありますが、多くは実作者を育てることが目的です。いっぽう、本専攻は、産業のための人材養成ではなく、現代芸術の最先端をゆくマンガ・アニメーションを本格的な学問領域に高め、その創造力の秘密を解明していきます。
本専攻の夏目房之介教授は、独力でマンガ表現論を切り開いた先駆者です。夏目教授が率いるマンガ・アニメ研究は、本専攻の演劇、映画、表象文化論とならぶ大きな柱です。
視覚優位の現代文化において、身体の表象(イメージ化) やパフォーミング・アーツ(舞合芸術)はきわめて重要な役割をはたしています。それらを大きな文化的枠組みのなかで研究することは、現代世界の理解になくてはならない学問領域なのです。本専攻はそうした表象文化論の基礎を学生に提供し、さらに専門研究に進んでもらいます。
アニメーションは映画の一部門であり、その研究には映画史や映画理論の知識が必要です。本専攻は中条省平教授を中心に、映画論の講義も充実し、また、マンガ編集者であり、マンガ・アニメ評論で活躍する佐々木果(ササキバラゴウ)講師の演習もあり、アニメーションをマンガや映画などイメージ文化一般との連関の上で広く深く学べます。
マンガ・アニメ、映画や演劇・ジェンダー研究に興味のある学生が、各々のジャンルの深さに新たな感動を味わい、芸術と学問のより高度な段階に上がれることを約束します。