学習院大学・川崎市市民ミュージアム共同研究プロジェクト(GKマンガ史研究プロジェクト)

 身体表象文化学専攻は、2013年春から川崎市市民ミュージアムと提携し、マンガ史の共同研究プロジェクトを開始しました。

■日本のマンガ史研究の新しいステップのために
 日本におけるマンガ研究の大きな課題は、あらゆる研究活動の基盤となる「マンガ史」の基礎を整備することです。
 これまでの日本のマンガ史研究は、主に「戦前の日本の諷刺画・漫画」を対象とするものと、「戦後の日本のストーリーマンガ」を対象にするものとに大きく分かれ、全体を総合的にとらえる研究は、大きな広がりを持ってきませんでした。
 また、世界各地でマンガ研究が横断的に行なわれ始めている近年の潮流の一方で、これまでの日本の研究は国内に限定されたものが多く、日本のマンガを世界史の中に位置づけようとする観点からの研究は、まだまだ始まったばかりといっていい状況です。
 そこで身体表象文化学専攻では、これらの現状認識に立ち、本格的なマンガ史研究プロジェクトを新たに2013年度からスタートさせることとしました。

■マンガ史料の発掘と再評価活動
 プロジェクトの目的は大きく以下の2点です。
1.諷刺画やストーリーマンガなど、多様なマンガ史を総合的に検証し直すこと。
2.世界史の中に日本マンガを位置づけ直すこと。
 これらの課題に取り組む最初のステップとして、東日本最大の近代マンガ資料アーカイヴである川崎市市民ミュージアムと提携を結び、共同研究を開始することにしました。
 川崎市市民ミュージアムにはマンガ部門があり、日本有数のマンガ関連資料が数多く収蔵されています。特に、幕末・明治から戦前までの資料は貴重なものが非常に多く、また国内だけではなく、海外の資料も数多く収蔵されています。しかしそれらの資料はいまだ整理途中のものも多く、評価活動や公開活動などにはあまり手が回っていないのが現状です。
 そこで、身体表象文化学専攻でマンガ・アニメーション研究に取り組む夏目房之介ゼミが中心となって、川崎市市民ミュージアムと協同で資料の整理と評価を長期的に進め、その成果の公開へ向けて活動を行なうこととしました。

■2013年度の活動開始
 共同研究は長期的に進められますが、今年度は以下のテーマに取り組みます。
1.マンガ言説史料のアーカイヴ化の基礎研究
2.下川凹天資料の整理・調査
 プロジェクトチームには、学習院大学以外からも研究者が加わり、この2つのテーマで1年間活動を進めます。活動の成果は研究会などを通じて発表していく予定です。詳細は、ここで随時お知らせするほかに、当面は以下の連絡用のサイトでも告知していく予定です。
http://heliar.cocolog-nifty.com/


共同研究テーマ





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学習院大学 人文科学研究科
身体表象文化学専攻
Tel:03-5992-1404


開室時間
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