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教員スタッフ紹介

滝川 一廣 教授臨床心理学

<主要著書・論文>
「家庭のなかの子ども 学校のなかの子ども」岩波書店 1994
「新しい思春期像と精神療法」金剛出版 2004
「「こころ」の本質とは何か」筑摩書房 2004


<研究分野>
 長い間、精神科の臨床医としてやってきて、学術研究者としてのキャリアを歩んできたわけではありません。統合失調症や思春期・児童期の患者さんの病院臨床からスタートして、そこから心理療法(精神療法)の方法論を考えてきました。
 その後、1984年より名古屋市児童福祉センターで、不登校、非行、発達障害、児童虐待などの子どもたちの施設ケアを含む臨床に10年ほど携わり、上記の著書はいずれもこの時期の取り組みが大きな土台となっています。 こうした仕事がもとで1999年に愛知教育大学の障害児教育講座へ移り、ずっと考えてきた発達障害、とくに自閉症について自分なりの考えを掘り下げる機会を得ました。発達障害をもつ子どもたちを一番よく知っているのは、医者よりも、日々その子らと日常を共にして関わっている養護学校の教員で、その先生方から多くを学べた貴重な期間でした。
 2003年から大正大学の臨床心理学専攻に移り、私たちの日常の生活意識や生活感覚から解離することなく、しかも重い発達の遅れや虐待など大きな困難を抱えた人々を支援しうる心理臨床の模索を始めました。研究的には2000年から始めた情緒障害児短期治療施設の入所児童(17施設571名、半数が被虐待児)の縦断的調査を共同研究で継続してきており、臨床的には実際に施設で子どもたちを診たりスタッフとのカンファレンスを重ねています。発達障害はもとより虐待などによる心理失調も精神発達の仕組みからとらえ直してケアにつなぐ道を探るのが、いまの私の臨床と研究の方向です。

<私の授業>
 受講生と顔を合わせる前に授業のやり方を決めるのは診察しないで治療方針を定めるようなもので、教室でお会いしてからやり方を相談しましょう。診察室でぼそぼそと小声で患者さんと話すのが身についているせいか、講義のとき、声のとおりや滑舌がつい悪くなる難があります。 卒論や修論は、私自身、臨床現場が長くアカデミックなスタイルの研究論文の修練を怠ってきましたので、その意味でのかっちりした論文の指導はできません。ただ、①自分は何をわかりたい(知りたい、確かめたい)のか、②なぜどうしてわかりたいのか、③どんなふうにすればそれがわかるのか、を練るお手伝いが私にできることでしょう。その上でほんとうに自分のわかったことが文章になったとき、それは読み手にもわかりやすい生きた論文になります。
 

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