法務研究科長 神前 禎 メッセージ

学習院大学法科大学院は、基礎からじっくりと法律基本科目を勉強したい、
書く力を徹底的に鍛えてほしいと希望する学生にとって、
最適な少人数教育を展開しています。

研究科紹介 - 法務研究科長の挨拶

(1)理念と目的

学習院大学は、司法制度改革の理念に賛同し、2004年法科大学院を設置しました(学習院大学専門職大学院法務研究科)。本法科大学院は、定員30名の小規模法科大学院でありながら、開設以来、200名を超える法曹を輩出してきた伝統があります。

法科大学院における教育によって我々が目指すものは、何よりも、国民のための司法を担う質の高い法曹の養成です。社会生活上の医師としての法曹を多数育成し、公正かつ合理的な紛争解決を実現して、「法の支配」を社会の隅々まで行き渡らせることが必要です。

そこで本法科大学院は、様々な立場の人々に「寄り添う」法曹を輩出することを目指しています。優れた人権感覚と高度な専門的知識を有し、オールラウンドな能力を持つ多様な法曹人材の養成を、教育研究上の最も基本的な教育理念としています。

このような理念に基づき、学習院大学法科大学院では、社会に貢献しようという高い志と責任感を育み、法曹として必要な資質を磨くことに教育上の力点を置いています。オーソドックスな科目展開のもと、基本を重視した、学生に寄り添った丁寧な指導をすることで、学術の理論及び応用を教授研究し、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的としています。

(2)本法科大学院での法曹養成の特色

学校法人学習院は「ひろい視野 たくましい創造力 ゆたかな感受性」を教育目標とし、目白のキャンパスには幼稚園、中等科、高等科、大学、大学院が集い、少人数制教育を伝統としてきました。学習院大学法科大学院もアットホームな環境のなかで、人権への豊かな感覚と市民的公共性を備えた法律専門家を、少人数制教育を通じて養成しています。

人々に寄り添い、その様々なニーズに応え続けるためには、生涯学び続け、知識や技術を絶えず研鑽することが重要です。実務家として学び交流することのできる場として本法科大学院には「法務研究所」が併設されています。本法科大学院修了後も引き続き生涯を通じて法曹養成教育を行うことが、本法科大学院の法曹養成の大きな特色となっています。

(3)本法科大学院の特徴

第1に、充実した教授陣を揃えています。

経験豊かな実務家教員と優れた研究実績をあげている研究者教員が、行き届いたカリキュラムの下で教育を行っており、各教員にはオフィスアワーなどの機会に直接質問をすることができます。また、弁護士として活躍する修了生から親身な指導を受けることもできます。

第2に、徹底した少人数教育を行っています。

1学年の定員30名の小さな法科大学院であることから、教員と学生との距離も近く、教員と学生との対話型授業を通じて、非常に密度の濃い指導が展開されています。

第3に、勉学にふさわしい環境を整備しています。

キャンパスは、山手線目白駅徒歩30秒という交通至便な地にあり、個々の学生には専用の机、本棚、ロッカーが割り当てられています。様々なオンラインデータベースや充実した蔵書を誇る法経図書センターも利用可能です。2023年春には大学図書館が新規に竣工しました。修了後も、法務研修生・法務研究生として落ち着いた学習環境を引き続き利用することが可能です。

第4に、修了生法曹との交流の機会があります。

修了生法曹も担当する授業である「法学入門演習1」及び「法学演習」、修了生法曹による在学生や修了生を対象とする「法実務講座」等の機会により、在学生や修了生は、修了生法曹から指導を受ける機会があります。自己の能力を高めるチャンスです。

学習院大学の豊かな伝統のもと、真のプロフェッショナルと呼べる法曹を養成します。

法務研究科長 神前 禎