学習院大学 国際研究教育機構Global Exchange Office for Research and Education.

国際研究系

研究詳細

先端科学の成果を集積し、歴史研究に活用
文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

東アジアの歴史都市と自然環境 - 先端科学が拓く「古都・長安学」

プロジェクトの期間

2013年度~2017年度

プロジェクトの概要

本研究は、東アジアにおける古代都市の建設と自然環境の関係に焦点をあて、千年にわたって中国古代文明の中心であった古都・長安をフィールドとするプロジェクトです。
本プロジェクトの大きな特徴は、先端科学の成果を集積し、歴史研究に活用しようとする点です。たとえば、リモートセンシングデータ(衛星データ)を利用した水環境と都市プラン、馬骨のDNA分析による古代都市・陵墓と生物、青銅鏡等の金属器成分分析による都市と生産、古代天文の復原と都市プランなどを想定しています。
具体的には、文明と自然環境とのかかわりの観点から以下の4つのグループにわけて研究を推進します。

  1. [長安と水環境]長安の都市水利プランや首都圏の水利灌漑の遺跡を、衛星データを活用して復原。(東海大学情報技術センターとの共同研究)
  2. [長安と生物]長安および首都圏の動物・植物などの生物と人間の関係を馬骨のDNA分析を通じて復原。(中国陝西省考古研究院との共同研究)
  3. [長安と生産]古代文明の青銅器の生産と材料の関係を銅鏡等の含有成分分析を通じて調査。(泉屋博古館との共同研究)
  4. [長安と宇宙]長安の都市設計と古代人々の天文観を関係づける。(国立天文台との共同研究)

先端科学の成果を取り入れることによって、多様で重層的な古代の環境情報を得ることが可能となります。こうして得られた情報から、都市と水環境・生物・生産・宇宙を結びつけ、古代中国の都市プランと自然環境の関係を解明します。さらに、長安での研究方法を韓国・慶州や日本・平安京に応用して、東アジアの都市と環境へと視野を広げていきます。

長安をはじめとする東アジア千年の古都の人間と環境の関係を研究することは、現代における都市の人と環境のあり方を検討することにもつながるはずです 。

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