2013年3月23日、北京郵電大学において、北京日本語教師会と合同研究会を開催しました。
北京日本語教師会の定例会にお邪魔し、プロジェクトの紹介と、プロジェクトの成果物である4コマ漫画を用いたワークショップを開催しました。参加者は20名でにぎやかなワークショップとなりました。
プログラム
研究成果の発信と授業への展開を探る
―「ビジネス日本語教育」に関わる調査を中心に―
日時 2013年3月23日(土)午後2:30ー5:00
場所 北京郵電大学
司会 熊鶯(郵電大学)
1. プロジェクトの紹介 前田直子(学習院大学)
2. 研究成果をいかに発信するか 金田智子(学習院大学)
3. ワークショップ
ケーススタディ「その場で言ってよ」誤解や摩擦について考える
村上佳恵(学習院大学学長付国際研究交流オフィスリサーチアシスタント)
概要
ワークショップは、本プロジェクトで作成した4コマ漫画の使用法を参加者とともに考えるという目的で行いました。使用法の一例として、異文化理解の活動を行いました。4コマ漫画を素材とし、D.I.E.メソッドを参考にして、誤解や摩擦について考えるグループワークを行いました。
D.I.E.メソッドとは、異文化間の誤解・摩擦の原因を探り、異文化に対する理解を深め、異文化に接する際の態度を養う方法で、D.I.E.は、D(describe事実を描写する)、I(interpret 評価する)、E(evaluate解釈する)の頭文字です。この3つを分けて考えることにより、異なる視点から物事を見直し、一方的な判断から脱することができるようになります※。
今回のワークショップでは、D.I.E.メソッドを参考にして、「事実」と「登場人物はなぜそうしたか?どう感じたか?」という2点に焦点をあてて 、グループで話し合いを行いました。そして、「あなたなら、どうする?」という問いについて意見交換をしました。最後に、ワークショップを体験してみての感想・質疑応答、また、4コマ漫画の使用法について意見交換を行いました。
※参考文献
八代京子 荒木晶子 樋口容視子 山本志都 コミサロフ喜美(2001)
『異文化コミュニケーションワークブック』三修社
ワークショップを終えて
ワークショップ後のアンケートでは、「多様な意見がでて良かった。面白かった」といったものから、「「ビジネス日本語教育」を考える際には、企業文化・実務的なこと・コミュニケーション・言語等、さまざまな側面があり、それらを整理し体系的に考える必要があるのではないか。そのなかで今日の活動は何を目指していたのか?」等、たくさんのご意見をいただきました。また、「もっとさまざまな職業の人の登場するマンガもあると、なお良い」「今日のような活動を中国で行うなら、話し合いは中国語で行うという方法もある」等のご意見もありました。
そして、さっそく授業で使用して、様子を報告してくれた方もいました。どうもありがとうございました。
ワークショップで使用したパワーポイントとプリントです。
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パワーポイント
ワークショップ 使用プリント(PDFで開きます)
北京は、研究会の前日、大雪が降ったということで、寒さの残る日でしたが、熱い話し合いができた研究会でした。