おとなり! 授業拝見

第3回

シンガポール国立大学
ウォーカー 泉先生


科目名   :ビジネス・ジャパニーズ

学生数  :15名(2013年度)

使用教科書:『新装版ビジネスのための日本語』(CD付き)S$50
       米田隆介・藤井和子・重野美枝・池田広子 (著)
                    スリーエーネットワーク

目標   :日本語でビジネスをする時に基本となる言葉づかい、マナー、
      そしてビジネスを成功させるための心得を学ぶ。
        コミュニケーション能力の向上とともに、企画書、
      報告書等の基本的なビジネス文書の読解、
      作成能力の向上も目指す。


   ウォーカー 泉先生プロフィール


所属   :シンガポール国立大学 語学教育研究センター

略歴   :エジンバラ大学応用言語学部より修士号を取得。
      早稲田大学大学院日本語教育研究科より博士号を取得。
      オレゴン工科大学、スコットランド日本研究所などを経て、
       2000年より現職。

業績   :『マーフィのケンブリッジ英文法(中級編)』
                    (ケンブリッジ出版)
      『初級学習者のための待遇コミュニケーション教育
       ースピーチスタイルに関する気づきを中心に―』
                    (スリーエーネットワーク)
      他、日本語教育関係の論文、講演など多数。

その他  :2003年より、シンガポール日本語教師の会会長として、
      シンガポールの日本語教育の発展にも努める。

中級レベルのビジネス・ジャパニーズの授業お知らせ

シンガポール国立大学(NUS,National University of Singapore)のThe Centre for Language Studiesでは、12の言語が教えられていますが、日本語はその中でもっとも受講生が多い言語です。日本語の授業は例年、前期、後期ともに6レベルありますが、ビジネス・ジャパニーズは通常、前期のみに開講されており、日本語4を修了した学生が受講できます。

授業の流れ

各レベルの日本語の授業は週1回の「講義(受講生全員が参加)」と週3回の「チュートリアル(受講生を少人数のグループに分けて行なう、練習を中心とした授業)」から構成されています。
いずれの授業も事前に予習をしてくることが基本です。






ビジネス・ジャパニーズの授業においても、最初の講義と3回のチュートリアルが1課を構成しますが、このコースでは、1回目のチュートリアルは「社内」を、2回目は「社外」を場面として、表現を学習・練習し、3回目はロールプレイ練習としています。社内場面と社外場面を明確に分けることで、実際の会社はもちろん、日本語社会の待遇レベルの違いを繰り返し学ぶことになります。

コース(13週)の流れ
企業訪問とプレゼンテーション

ビジネス・ジャパニーズの授業は、半期のコース全体の流れも大きな特徴を持っています。授業ではテキストを使用しますが、テキストの順番通りには進みません。授業は学期半ばの「企業訪問」と、学期末の「プレゼンテーション」を柱に構成されています。

まず学期の前半は企業訪問の準備期間として、訪問先にアポイントメントをとる電話をかけたり、メールを書いたりする練習を行い、実際にアポイントメントをとります。そして、訪問時の挨拶や質問の仕方、マナーなどについても学んでから、実際に企業を訪問します。 企業訪問は、3.4人一組で行います。訪問先の企業では、NUS卒業生や日本人社員にインタビューを行います。 後半は訪問した企業にお礼状を書き、また訪問時のレポートを書いて、最終的に、クラスでプレゼンテーションを行います。そして、こうした練習をしつつ、テキストの残りの課と履歴書の書き方などを勉強していきます。

 第1週ー第6週

企業訪問のために
必要な事項を
中心に学習
  • 電話のかけ方
  • アポイントの取り方
  • 挨拶、名刺交換
  • 企業訪問の企画書を作成する
  • 企業訪問の依頼のメールを書く
   

中間休み

企業訪問
  • NUS卒業生や日本人社員にインタビューをする
   
第7週ー第12週
 
お礼状書き・
プレゼンテーションに
必要な事項を
中心に学習
  • お礼状を書く
  • 報告書を書く
  • 発表原稿を書く
  • プレゼンテーションの準備
  • 司会の練習
   
 第13週

プレゼンテーション
  • 企業訪問でインタビューした
    内容を発表する



学期を通じた場面設定

このビジネス日本語クラスでは、学期を通して、ある会社を想定してロールプレイが展開されていきます。 2013年度は、IMCという会社の営業部という設定で、異なるクラスを担当する2名の先生が、それぞれ部長と課長として、学生はその部下や取引先の相手となって、新しい商品を開発し、販売戦略を練り、販売活動を行っていきます。 そうした設定の中で、様々な練習が組み立てられています。

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