東呉大学
高橋 恭子 先生
科目名 :現代日本応用文(選択科目 通年)
学生数 :35名(2013年度)
使用教科書:『絶対できる商務日本語書信』 蔡佩寈 衆文図書公司 2007
レベル :4年生
目標 :上級
オフィスワークに必要なビジネス文書の書き方を学ぶ。
まず、待遇表現(敬語を含む)に慣れ、語彙・文法・文型・慣
用表現などを的確に運用して自分の考えを文書で伝達する能力
を養う。
また、日本語表現の学習を通して、日本人の考え方や文化背景
についても知識を深めたい。
就職を目前にした4年生には、履歴書・自己PR文・面接の際に
必要な日本語の文章を書く力・日本語で思考する力をレベルア
ップさせてほしい。
高橋 恭子(たかはし きょうこ)先生 プロフィール
所属 :台湾 東呉大学外国語学院日本語文学系 専任講師
略歴 :日本 天理大学ドイツ学科卒業
ドイツ アウグスブルグ大学中退
台湾 東呉大学日本語文学系修士課程卒業
台北YMCA日本語組非常勤講師
国立政治大学公企業中心言語訓練組非常勤講師
国立台湾師範大学人文教育センター非常勤講師
中国文化大学日本語文学系非常勤講師
東呉大学日本語文学系・推広部兼任講師
東呉大学日本語文学系専任講師
業績 :
期刊論文 『日本語で自分を語るための実践と指導
―自己分析に基づく自己PRの叙述を中心にー』
銘傳日本語教育 14、銘傳大学教育応用語文学院応用日語学系
2011年10月
『日本語コミュニケーション能力育成をめざした「会話創作」の
実践的アプローチ』
東呉日語学報 41、2013年7月
教科書 『現代日本語』(共著)国立政治大學日本語組、2008年7月
シンポジウムでの論文発表
『日本語で自分を語るための実践と指導
―自己分析作業を中心としてー』
銘傳大學2011応用日語学系課程・教材・教法国際学術研討会
『コミュニケーション能力育成をめざした会話教育の一試案
ー中級学習者による会話創作の効果ー』
2012日語教学国際会議、東呉大学日本語文学系
他多数
中間試験までの 授業 | ||
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1 | 待遇表現 3年生までに学習した待遇表現を、プリント教材を使って練習し、強化します。 その後も小テストなどで待遇表現の復習は年間を通して適宜行なうようにしています。 (〈待遇表現プリント教材例〉) |
2回 程度 |
2 | 商務文書の基本常識 テキストを使用してビジネスの基本的な知識、ビジネス文書に特有の語彙や表現等について講義形式の授業を行います。 (例) ・商務文書に特有の語句 ・商務文書の文体 ・商務文書の書式 ・ハガキ・封筒の書き方 等 (〈『絶対できる商務日本語書信』p13〉) |
3回 程度 |
3 | 社内文書 会議報告、業務報告、研修会などといった社内文書の例文を抜粋して、文法事項などを中心に授業を行います。 (〈『絶対できる商務日本語書信』p89〉) |
2回 程度 |
中間試験・フィードバック | ||
中間試験は、通常11月の第2週目に実施します。 試験後のフィードバックとしては、答案返却時に正答率の低かった問題について重点的に解説し、学生たちの理解を深めさせます。 また、自身も試験の出題方法(難易度も含む)について検討し、今後の試験において調整をはかります。 |
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期末試験までの授業 | ||
4 | 社外文書 テキストを使用して貿易などの社外文書についての授業を行ないます。この時、貿易の仕組みなど、ビジネスに関する知識も同時にとりあげます。 (〈『絶対できる商務日本語書信』p156〉) |
3回 程度 |
5 | 社交文書 グループに分かれて年賀状などの社交文書を作成し、発表させます。 |
3回 程度 |
期末試験・フィードバック | ||
期末試験は、通常1月の第2週目に実施します。学生に対するフィードバックとしては、試験後はすぐに冬季休暇となるため、2学期のはじめ(2月第3~4週目)の授業で解説などを行うことにしています。 |
試験内容・課題等 | |
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レポート(課題) | 「社員旅行のお知らせ」を作成(毎年同テーマで実施) |
小テスト | 待遇表現に関するもの(3回程度実施) |
中間・ 期末試験 |
待遇表現に関するもの・文書の穴埋め・翻訳・文書作成 ※文書作成 テキストで既に学習した文書の書き方の応用問題。書式・語彙・文型などが適切に使用できるかどうかについての理解度をはかります。 (例:テキスト「夏期社員旅行のお知らせ」→ テスト「忘年会開催のお知らせ」のように標題を変更して出題) |
ビジネス文書の読み書き能力を身に付けるには、文法や待遇表現といった基本的な日本語能力がしっかり定着している必要があります。さらに、日本語として間違っているわけではなくても、丁寧な表現を使いすぎたり、同じ表現を何度も繰り返し使用すると日本語としてやや不自然な文章となってしまう場合があることを授業中に示します。同じ意味でも様々な言い換え表現ができること、正答が一つとは限らないことを意識した創造性のある作文能力の獲得を目標としています。
また、日本語でのビジネス文書の作文と同時に、それを中国語で翻訳する練習をしています。台湾のビジネス場面においても、あらたまった丁寧な中国語が使われることがよくあるため、そのようなビジネスの中国語に不慣れな学生が、日本語だけではなく中国語でのビジネス場面にも対応できるように、というねらいがあります。