貴重書コレクション
枕草子(まくらのそうし)
【 解 題 】
本書の体裁のあらましを次に記す。 上下二冊。縦二六.五センチ、横ニ〇センチ。本文の用紙はうす手の楮紙で、袋綴であるが、現在は、補修のため、用紙は裏打ちして厚手になっている。 ただし絶妙な技術によって、一見貼り合わせとは考えられないほどである。墨付上巻百枚、下巻百五十枚。表紙は紺色の紙製で、もとは虫食のため寸断せられていたが、今はきれいに補修された。 表紙左肩にはうすい楮紙で仮りの題簽「枕草紙(上)」「枕草子(下)」が貼られてあるが、三條西公正博士の筆である。上巻の表紙見返しには本文の紙と同質の白紙一葉が貼られてあるのが原形であったが、 今は、補修のおりに、もと表紙裏に下地紙として貼りつけてあった「有座主来相看次師問(以下虫食デ十分確カデハナイ)」にはじまる十一行の漢文が有枠有罫のなかに印刷されている一葉が、見返しがわりに貼られ、 本来の見返しの一葉は遊紙の形で次に添えられている。したがって本文はその次葉の裏からはじまる。上巻の裏表紙見返しも同様であって、本来の見返しの紙は表裏白紙の遊紙の形で、本文末に添えられ、見返しには、 本来の下地紙の消息文の断葉が貼られている。下巻の表紙見返し、裏表紙見返しも、全く同断であり、前者には消息文の断葉、後者には「便出去師云莫道無事好首座侍立次師云還有過」ではじまる、 前記上巻表紙見返し下地の紙と同趣の漢文の一葉が貼られている(この写真本では、これらの下地紙は本来見えないはずのものなので、省略して、本来の形にもどした)。本文は一面十一行に書かれ、その筆者は三条西実隆またはその子公條かといわれているが、十分確かではない。
本書の体裁のあらましを次に記す。 上下二冊。縦二六.五センチ、横ニ〇センチ。本文の用紙はうす手の楮紙で、袋綴であるが、現在は、補修のため、用紙は裏打ちして厚手になっている。 ただし絶妙な技術によって、一見貼り合わせとは考えられないほどである。墨付上巻百枚、下巻百五十枚。表紙は紺色の紙製で、もとは虫食のため寸断せられていたが、今はきれいに補修された。 表紙左肩にはうすい楮紙で仮りの題簽「枕草紙(上)」「枕草子(下)」が貼られてあるが、三條西公正博士の筆である。上巻の表紙見返しには本文の紙と同質の白紙一葉が貼られてあるのが原形であったが、 今は、補修のおりに、もと表紙裏に下地紙として貼りつけてあった「有座主来相看次師問(以下虫食デ十分確カデハナイ)」にはじまる十一行の漢文が有枠有罫のなかに印刷されている一葉が、見返しがわりに貼られ、 本来の見返しの一葉は遊紙の形で次に添えられている。したがって本文はその次葉の裏からはじまる。上巻の裏表紙見返しも同様であって、本来の見返しの紙は表裏白紙の遊紙の形で、本文末に添えられ、見返しには、 本来の下地紙の消息文の断葉が貼られている。下巻の表紙見返し、裏表紙見返しも、全く同断であり、前者には消息文の断葉、後者には「便出去師云莫道無事好首座侍立次師云還有過」ではじまる、 前記上巻表紙見返し下地の紙と同趣の漢文の一葉が貼られている(この写真本では、これらの下地紙は本来見えないはずのものなので、省略して、本来の形にもどした)。本文は一面十一行に書かれ、その筆者は三条西実隆またはその子公條かといわれているが、十分確かではない。
【 典 拠 】
枕草子:能因本, 清少納言[原著];松尾聡編, 東京:笠間書院, 1971刊, 笠間影印叢刊 9-10, 付(26p 21cm):解説(松尾聡編) 抜粋











