貴重書コレクション

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藻塩草

 藻塩草(もしおぐさ)

【 画 像 】   画像一覧
【 解 題 】
  室町時代の連歌師宗祇(そうぎ、1421~1502年)の弟子である宗碩(そうせき、1474~1533年)が、永正13年(1513年)頃に編んだという膨大な歌語辞書。 連歌を詠む者のために古文献より語句を書き集めた書。「藻塩草」とは、塩を採取するために用いる海藻で、「掻き集め」て潮水を注ぐところから、「書き集める」に掛けて用い、 これに因んで「歌語を書き集めた学書」を意味する。
  当館所蔵は、明治20年代前半、宮内省図書寮からの移管図書。原装20巻10冊本を、旧蔵者が12冊本に装丁し直したもの。第1巻は表側表紙も補修済で、全体に状態は良好である。 旧分類030/50、貴重書室の箪笥抽斗4番にあり。複製翻刻に「古活字版藻塩草・改編和歌藻しほ草」(日本語日文科所蔵)がある。
  内容について、収録の語句は、天象・時節付方・地儀・山類・水辺・居所・国付世界・草・木・鳥類・獣類・虫類・魚類・気形付所作・人倫並異名・人事付所作・人事雑物並調度・衣類・食物・言詞の20部に分類配列する。 依拠した文献は、「万葉集」以下の歌集、「伊勢」「大和」「源氏」を始めとする物語、「古事記」「日本書紀」「続日本紀」等の史書、 「奥義抄」「袖中抄」等の歌学書等、広範囲にわたっている。語句を掲げるに当たっては、出典名、説の典拠となった文献名をも併記しつつ、 その意味・用法を説く記事も多く、辞書の性格を有する。
  当館蔵書は、最近行った諸本の鑑定によれば、字単位の刷りむらが見られないこと、複数文字に木目が通っている箇所があること、項目ごとに付された○の形がさまざまであることから推して、古活字版ではなく版本と考えられる。 また、寛永古活字版を忠実に再現しており、古活字版を購入して製作したものかもしれないし、寛文9年刊より古い版かもしれない。したがって、版としては「国書総目録」の版本3番目に記載の「刊年不明本」に該当すると考えられる。
【 典 拠 】   岩波書店刊「日本古典文学大辞典第6巻」「国書総目録」