中国の習近平が打ち出した一帯一路(海のシルクロードと陸のシルクロード)というコンセプトが、インドと中国の関係において、インドからはどの程度の協力姿勢があり、どの程度の対立、あるいは競争的関係にあるかということを、インドの東アジア、特に東南アジアとのconnectivityについての政策や、インドー日本、インドーアメリカ、インドーロシアなどの歴史的な、独自外交の中で論じ、インドが、パキスタンー中国との係争地やアルナチャルプラデシュなどにおいては、むしろ軍事的対立をも辞さない姿勢を示し続けながらも、人口においてやがて中国を追い抜き、中国が労働力不足状態になってもなお健全な人口構成をインドは維持できるという認識のもとに、multilateralな、偏向しない外交姿勢を取ると講演者は分析し、会場の、中国人留学生を含む20名程度の学生などとの質疑応答に応じた。この問題は、いわゆる「文明の衝突」論は有名である中で、インド、中国という世界の最古からある文明が接触する地域の問題として、特に注目すべき要素が、たとえば、インドにおける華僑の少なさなどに表れているという指摘もあった。
グローバルガバナンス研究会(報告)
国際関係・地域研究コース
講演者 | Rupakjyoti Borah先生(シンガポール国立大学教授) |
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事例報告者 | 村主 道美 先生 |
開催日 | 2018年 6月 12日(火) |
主催者 | 村主 道美 先生 |