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教員メッセージMessage from Professors

阿部 克則

法学科 教授
阿部 克則
Yoshinori Abe
専攻:国際法

出身地
東京都
最終学歴
東京大学大学院学術修士
ケンブリッジ大学大学院法学修士(LL.M)
所属学会
国際法学会、日本国際経済法学会
研究テーマ
国際経済法、国際紛争処理論
担当科目
国際法Ⅰ、国際法Ⅱ、国際法演習、特設演習(国際法模擬裁判)

国際法で世界を広げよう

みなさんは国際関係に興味がありますか?もしそうだとしたら、国際法は、みなさんが国際問題を考える際に強い味方になるでしょう。ここでは国際法とは一体何か、その魅力はどこにあるのか、ご紹介したいと思います。
そもそも「国際法とは何か?」を簡潔に説明することは非常に難しいのですが、あえて一言でいえば、「国際法とは国際社会の法」です。そして、国際社会は、基本的には複数の主権国家から成り立っていると考えられ、したがって「国際法とは、主権国家間の関係を規律する法だ」ということができます。このような国際法は、国際関係が緊密化し、グローバル化したといわれる現代世界において、あらゆる国際問題に関係しているといっても過言ではありませんし、日本政府も「国際法の支配」を重要な外交政策としています。そのことを最近の出来事に即して、少し具体的に見てみましょう。
例えば領土問題があります。わが国の領土である尖閣諸島をめぐっては、中国が言いがかりに近い主張を行ってきています。日本政府は、1895年に尖閣諸島を正式に領土に編入して以来、一貫してその領有権を主張していますが、1970年代以降、中国も領有権を主張し始めました。こうした領土に対する権利は、国際法によって認められるものですので、日本は自らの立場がなぜ正しいかを国際法に基づいて明確に示す必要があります。
また、経済に関する国際法も、日本の将来を決める大きな意味を持っています。この原稿を執筆している時点(2016年12月)では、日本はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を国会承認しましたが、アメリカの次期大統領トランプ氏がTPPからの脱退を宣言し、各国に衝撃を与えました。TPPは、いわゆる自由貿易協定といわれる条約の一種ですが、日本経済の進むべき道は、こうした自由貿易協定やWTO協定などの国際法に強く影響されています。この他にも、地球環境問題、国際的人権保障、国際犯罪、安全保障問題など、国際法上の問題は多岐にわたります。まさに国際法は、国際関係を理解するために必要不可欠なのです。
それでは、みなさんが国際法を学ぶとして、その魅力はどこにあるのでしょうか?それは何といっても、国際問題という非常にスケールの大きな課題に対して、法という道具を持って切り込んでいけることです。実は私自身、大学に入るまで国際法とは何かについて全く知りませんでした。ところが、大学の授業で国際法に触れ、さらに学者として国際法を研究するにつれて、いわば「ただの紙切れ」に過ぎない条約の条文が、現実の外交の場面で極めて重要な役割を果たしているのだということを実感するようになりました。
つまり、国際法は「国際社会のルール」であり、日本が今後進むべき道や国際社会のあるべき姿について、様々なヒントを与えてくれるのです。国際法を学ぶことで、国際問題をより深く理解でき、その解決の方向性が見えてくるだろうと思います。みなさんも国際法を手にして、世界を読み解きましょう!

著書・論文紹介

  • 国際投資仲裁ガイドブック
    (中央経済社、2016年、阿部克則監修、末冨純子他著)

    TPPや国際投資協定に盛り込まれ注目された投資仲裁(ISDS)について解説したものです。

  • 天然資源に対する恒久主権原則とWTO協定の解釈適用
    (国際法外交雑誌114巻4号、2016年)

    中国のレアアース輸出制限などのWTO協定整合性を分析したものです。

  • 公正衡平待遇規定と投資保護の国際的最低基準
    (国際経済法講座Ⅰ(日本国際経済法学会編、法律文化社、2012年))

    海外投資を法的に保護するための国際投資協定に含まれる公正衡平待遇規定を分析したものです。ISDS条項とも関連します。

  • Implementation System of the WTO Dispute Settlement Body:A Comparative Approach
    (Journal of East Asia and International Law Vol.6(2013))

    WTO紛争解決制度の履行確保システムの特徴を、他の国際法上の制度と比較して、明らかにしたものです。