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教員紹介Messages from Professors

政治学科 教授

藤田 由紀子Yukiko Fujita

専攻:行政学

出身地
埼玉県
最終学歴/学位
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了/博士
所属学会
日本行政学会、日本公共政策学会、日本政治学会
研究テーマ
公務員制度、公共政策
担当科目
行政学Ⅰ・Ⅱ、行政学演習など

公共政策の実現を担う行政の活動について考えてみよう

 私の専門の行政学は、文字通り「行政」を研究対象とする学問です。皆さんは「行政」という言葉からどのようなイメージを持つでしょうか。「政治・行政」というように、「行政」はしばしば「政治」と並べて使われることも多いですが、これは、実際に行政が政治と密接な関係にあることを反映しています。政治と行政の古典的なイメージは、政治が決めた政策を行政が実施するというものでしたが、今日では、行政は政策の実施のみならず、その立案においても大きな役割を果たしています。

 こうした行政の機能を担う機関の多くは、官僚制という組織構造を特徴としています。官僚制組織とは、簡単に言えば、1人の長を頂点に置くピラミッド型の組織です。中央政府および地方自治体の官僚制組織は今や巨大なものとなり、その組織を効率的に運営し管理することは大きな課題です。

 さらに、近年では、政策の実施について、行政が直接担うだけでなく、民間の個人や団体、企業などの役割も大きくなってきました。政策の実現のために、あるいは、公共の担い手として、行政機関と民間の主体とがどのようにネットワークを形成し、協働していくかということにも関心が向けられています。このように行政の組織やその活動は時代に応じて変化し続けており、それらを研究対象とする行政学の内容も拡がってきています。

 行政の活動は、とかく私たちから離れた存在であると考えられがちですが、実際には私たちの生活に密接に関わっています。行政学は、公務員やいわゆる「官僚」のためのだけの学問ではなく、民主主義の観点から私たちが行政の活動を適切にコントロールしていくために寄与する学問でもあります。したがって、行政学の授業では、私たちの日常生活に深く関わる行政の組織や制度、政策についての知識基盤を築き、行政活動に関わる現実の諸問題を自分自身で考えることができるようになるための手がかりを提供したいと考えています。

 しかしながら、行政活動を観察し、その諸問題について考えるのに必要なセンスは、机に向かって勉強するだけでは十分に身につくとは思えません。それに加えて大切なのは、市民として、あるいは生活者としての経験です。学生の皆さん自身の経験に基づき、行政の諸問題をより深く、自ら主体的に考える学びの場として位置付けているのが、行政学演習(ゼミナール)の授業です。行政学演習では、通常の文献講読や討論の他に、テーマに応じてゲスト・スピーカーを招いたり、行政機関への見学やヒアリング、地方でのスタディ・ツアーを兼ねた合宿などを行ったりしています。こうした学習や活動を通じて、演習が、学生の皆さんによる主体的な学びの場となり、さらに欲を言えば、皆さんの大学生活の中で、人間的に成長でき、生涯にわたる友人に出会えるような場にもなってほしいと望んでいます。

 ぜひ多くの皆さんに行政活動への興味を持っていただきたいと思います。教室で皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

著書・論文紹介

『公務員制度と専門性-技術系行政官の日英比較-』

(専修大学出版局、2008年)

『専門性の政治学-デモクラシーとの相克と和解-』(共著)

(内山融=伊藤武=岡山裕編著、ミネルヴァ書房、2012年、担当した章:第6章「医薬品行政における専門性と政治過程」)

『都市自治体におけるファシリティマネジメントの展望』(共著)

(公益財団法人日本都市センター編・発行、2014年、担当した章:第2部第2章「ファシリティマネジメント推進のための組織と人材」)

「英国公務員制度改革における『専門職化』の意義」

季刊行政管理研究146号(一般財団法人行政管理研究センター、2014年)