学習院大学 法学部 | 法学科|政治学科

教員紹介Messages from Professors

法科大学院 教授

原 恵美Megumi Hara

専攻:民法

出身地
大阪府
最終学歴/学位
慶應義塾大学大学院法学研究科民事法学専攻博士課程単位取得退学/修士(法学)
所属学会
日本私法学会、日仏法学会、信託法学会
研究テーマ
物権法、担保法、信託法
担当科目
[法学部]民法2、特設演習[法科大学院]民法入門2、応用民法4

ルールを勉強しよう!

ルール創りの現場で

 法学部では、社会のルールについて勉強します。では、そもそもどうして社会にルールがあるのでしょうか?

 最近、私は、このことについて考える機会を得ました。晴天が続く心地の良いローマで、ユニドロワ(UNIDROIT;私法統一国際協会)の議定書作りに参加した時のことです。

 ユニドロワは、1926年に国際連盟の下部機関としてローマに設立され、現在では、日本を含む63カ国が加盟しています。取引に関する法について、最新のニーズに応えて、国際的に統一のルールを創る活動をしています。

ルールが出来たらビジネスチャンス?

 今回の議定書のテーマは、鉱山機械、農業機械、建設機械のファイナンスです。高額の機械を購入する人は、機械の代金を何年もかけて返済します。他方、機械の販売者は、途中で返済されない場合に備えたいと考えます。その有効な手段として、機械に担保権を設定します。担保権があれば、返済がない場合に、機械を引き上げたり、あるいは機械を売却したりして、代金を回収できます。このような仕組みを提供するのが、この議定書です。

 大げさに言えば、議定書の仕組みがあれば、安心して機械を販売できるため、ビジネスが促進され、機械がよりたくさん出回ることでその分開発も促進されます。そうすると、機械の販売業者にも、開発に力を入れている社会(例えば、発展途上国など)にも、利益になります。このように、ルールを創ることは、最終的には社会全体の利益になるのです。

ルールってどんな役に立つのだろう?

 ローマでは、各国の代表が、こうしたルール創りについて議論しました。国際機関の議場では、各国の法律の状況や各国の経済状況(例えば、機械を作って販売することが多い国なのか、それとも購入することが多い国なのか)が全く異なるために、結論を見出すのが難しい場合もあります。しかし、ルールを創ればビジネスを増やすことができるという一致した認識が根底にあります。

 目的にかなったルールは、人を幸福にできるものだと私は思います。ユニドロワは、国際社会の、それもビジネスの世界の話でしたが、もっと身近なところにも、家族の中、大学の中、コニュニティの中、市区町村の中など多種多様な場面にルールはあります。色々な場面でどういったルールがあるのか、どういうルールを創ると良いのかを考えることが法律家の仕事であり、法学部で勉強することです。こうした問題について皆さんと考えることを楽しみにしています。

著書・論文紹介

「用益権の現代的意義:財産の集合に対して設定される用益権を中心として」

吉田克己=片山直也編『財の多様化と民法学』(商事法務、2014年)

『動産債権担保:比較法のマトリクス』(共著)

(池田真朗=中島弘雅=森田修編、商事法務、2015年、担当した章:「フランス担保法制の概観」、「担保目的の信託」)

『プレステップ法学(第3版)』(共著)

(池田真朗編、弘文堂、2016年)

「フランスにおける情報に対する所有権」

NBL 1071号(商事法務、2016年)