学習院大学 法学部 | 法学科|政治学科

教員紹介Messages from Professors

法科大学院 教授

長谷部 由起子Yukiko Hasebe

専攻:民事手続法

出身地
千葉県市川市
最終学歴/学位
東京大学法学部一類/学士
所属学会
日本民事訴訟法学会、日本私法学会、金融法学会、仲裁ADR法学会
研究テーマ
判決の効力
担当科目
民事訴訟法(法科大学院)、特殊講義(民事訴訟法の基礎)、民事訴訟法演習、特設演習

なぜ「民事訴訟法」か?

「民事訴訟法」というと、なんだかむずかしそうだな、と思う人も多いだろうと思います。民事訴訟法は、民事事件に関する裁判の手続に適用される法律です。民事事件というのは、たとえば、建物の売買契約に関して、売主と買主の間で売買代金の支払や引き渡された建物の状態をめぐって争いが起きた場合のように、私的な権利義務の存在や内容に関して生じた紛争のことをいいます。通常は、当事者間で話し合いをして紛争を解決しようとすると思いますが、解決できない場合には、裁判所で事実関係を明らかにし、民法や商法などの法律(「実体法」といいます)を適用して、どちらの当事者の言い分が認められるかを判断する必要があります。民事訴訟法は、そうした裁判手続(民事訴訟)がどのように進められ、紛争がどのように解決されるのかに関する法律です(「手続法」と呼ばれます)。

 法学部の民事訴訟法の授業では、民事訴訟はだれのどのような行為によって開始されるのか、どの裁判所で手続が行われるのか、当事者はどのようなことをする必要があり、裁判所はどのようなことをしてくれるのか、法律の専門知識が必要な場合には、だれのどのような援助を受けることができるのか、費用や時間はどのくらいかかるのか、などの問題を扱います。

 読者のみなさんの中には、「私が民事訴訟の当事者になることはないから、民事訴訟法の知識が必要になることもない」と思っておられる方もいらっしゃるかもしれません。

 たしかに、自分から進んで民事訴訟を起こそうという人はあまり多くはないだろうと思います。しかし、思いもかけないことで、他人の財産や身体に損害を与えてしまい、相手方から訴えられることもあるかもしれません。また、就職先でトラブルに遭遇し、その解決方法として民事訴訟を選択せざるをえない場合もあるかもしれません。そのような経験をすることがなくても、紛争が最終的にはどのような手続によって解決されるのか、裁判所とはどのようなところか、裁判官や弁護士はどのような活動をしているのか、裁判官や弁護士になるためにはどのような訓練が必要なのか、といったことを知っておくことは、社会生活を送っていくうえで意義のあることだと、私は考えています。

著書・論文紹介

『民事訴訟法[新版]』

(岩波書店、2017年)

『民事手続原則の限界』

(有斐閣、2016年)