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教員メッセージMessage from Professors

飯田 芳弘

政治学科 教授
飯田 芳弘
Yoshihiro Iida
専攻:ヨーロッパ政治史

出身地
長野県
最終学歴
東京大学法学部卒/学士
所属学会
日本政治学会、日本比較政治学会、日本ドイツ学会、American Political Science Association
研究テーマ
近現代のヨーロッパ政治の歴史
担当科目
ヨーロッパ政治史、専門演習、外国書講読、基礎演習

友達は邪魔?

先日、都合が悪くなって、チケットを購入していた演劇に行けなくなってしまいました。そこで、たまたまその時に話をしていた若い女性に、「興味があるなら行きますか?行くならチケットあげますよ」と言ったところ、行きますとのことでしたので、そのチケットを差し上げました。ただ、チケットは1枚しかありませんでしたので、その女性は一人で観劇することになります。そこでその女性が私に、「頑張って一人で行ってみます」と言ったのですが、これが私にはかなり驚きでした。一人での観劇は「頑張る」ものなのか、と。
私は映画でも演劇でも一人でしか行かないのですが、大学生の皆さんだとこのことは当然のことではないようですね。学生と接していると、一人で何かをすることに対して抵抗があるように見受けられることがしばしばあります。その延長線上で、よく言えば友達作りを最も大切なものとする、やや悪く言えば常に誰かとつながっていたがる。
もちろん大学では皆さんに、多くの人と出会い、生涯の友人を得てほしいのですが、その一方で、一人でしかできないこと、一番わかりやすいのは、たとえば本をじっくり読むことにも力を注いでほしいのです。
しかしそういうことには「邪魔」が入ってなかなか時間が取れず、本を読む余裕も十分にないままに時間だけが過ぎてゆくということがあるのです。
ところで、ここでいう「邪魔」とは何でしょう。アルバイトであったりサークルであったりすることが多いでしょう。しかし私はあえて極論的に、それは友達である、と答えたいと思います。
大学でかけがえのない友人を作ることが大切なのは先ほど言いましたが、どれほど大切な友人であっても、自分以外の人間と一緒にいる限りは、自分一人でしかできないことにとっての邪魔でしかない、ということもまた真実だと思うのです。
大学を卒業し、社会人になり、結婚をし、子供ができれば、確実に自分で自由になる時間は減っていきます(どんどん孤立するという逆の進展もありますがここでは触れません)。
ほとんどの大学生にとって、大学時代こそが、自分でしかできないことを思う存分やることのできる、最初で最後の時期なのです。
このことを十分に自覚してほしいと思います。そして、一人で映画や演劇を観たりすることも結構いいものですよと言っておきたい。ただしそういう私も、「一人カラオケ」や「一人焼肉」はちょっと無理です。

著書・論文紹介

  • 『想像のドイツ帝国─統一の時代における国民形成と連邦国家建設─』
    (東京大学出版会、2013年)

    1999年に『指導者なきドイツ帝国』という、19世紀末から第一次世界大戦前夜までの政治史を描いた作品を刊行しました。これに続く(時期的にはさかのぼりますが)政治史の作品をここ数年ずっと手がけてきましたが、ようやく『想像のドイツ帝国』という書物として刊行できました。ほっとしています。

  • 『ヨーロッパ政治史〔改訂新版〕』(共著)
    (平島健司・飯田芳弘著、放送大学教育振興会、2010年)

    第2章~第9章を担当。放送大学の授業のテキストとして書かれました。2005年に執筆したものを、2010年に大幅に改訂しました。