学習院大学 法学部 | 法学科|政治学科

教員紹介Messages from Professors

政治学科 教授

磯崎 典世Noriyo Isozaki

専攻:現代韓国政治・比較政治

出身地
和歌山県
最終学歴/学位
東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得中退/修士
所属学会
日本政治学会、日本比較政治学会、アジア政経学会、日本国際政治学会
研究テーマ
韓国の政党政治と社会変動、内政と対外政策
担当科目
東アジア政治Ⅰ・Ⅱ

将来の進路選択と大学進学

 私は、卒業後の進路について悩んでいる高校生向けと考えて、このメッセージを書いています。高校を卒業して大学に進学するか否か、進学するとすればどんな学部学科を選択すれば良いのか、大学での勉強が将来のどんな進路につながるのだろうか―いろんな疑問は浮かんでも、「自分の進路はこれだ」という確信を持っている高校生は多くないでしょう。

 かくいう私も高校卒業後の進路として、当初両親に反対された道を選んだのですが、その時点ではっきりとした将来設計などはありませんでした。10代のころ漠然と将来を考えていたころからすると「思えば遠くに来たものだ」という気がしますが、今に至る大きな転機は大学時代にありました。つまり、高校卒業後の選択が、結果として今に繋がっているわけです。

 私は高校卒業まで、和歌山県の田舎で育ちました。現在は市町村合併で「市」になっていますが、当時は郡部の町でした。郡部では大きな町だったので高校も町内にあり、小学校から高校まで町内の公立校に通っていました。郡外に出ることもあまりなく、極めて狭い範囲で過ごす日常生活でした。「成績の良い女子」は「地元の国立大学に進学して、公務員や教師になる」「地元の県立医大に進学して医者になる」というのが、暗黙の了解のようなところがあり、私の親もそんな進路を望んでいました。しかし、私は社会問題一般に興味があり、当時は専門分野の分類などわからないものの、いわゆる社会科学的な勉強をしたいと思っていました。当時はインターネットもなく、情報のほとんどは活字によるものでしたが、日本のみならず国際社会で重視されている問題に取り組むことに惹かれていました。「もっと勉強するために、東京の大学に進学したい」と言って、反対する親と対立することになったのですが、こうした説明は、単に「広い世界に出て行きたい」という当時の気持ちを、美化しているのかも知れません。実際、親から「大学で勉強してどうなるのか」と尋ねられたときも、ただ「将来のことはわからないけど、もっと勉強したい」としか言えませんでした。

 結局両親も承諾してくれ、私は東京で大学生活を送ることができました。人々と出会い新しい学問に接した大学生活は、高校までとは全く異なる体験で、大学院に進み、留学をするという進路に続いていきました。そうした選択ができる環境にあった幸運、将来がわからない不安定な日々を支えてくれた恩人たちのお陰で、現在の私に至ったわけですが、もし高校卒業時に別の方向へ第一歩を踏み出していれば、今とは違う生活をしていたはずです。今、進路選択を考えているみなさんも、「将来どうなるかわからないけど、自分を試してみたい」という気持ちを大切にしてもらいたいと思っています。

 そして、かつての私のように日本や国際社会の問題に漠然と興味を持っている若い人には、ぜひ政治学科で学んでもらいたいです。HPでカリキュラムをご覧になれば、本学科で学ぶことが、政治家など特別な人だけに関係するものでは決してなく、みなさんに身近なものであるとわかっていただけるはずです。本学科は、社会での挑戦の基礎となる力を養う場です。我こそはと思う方、ぜひ目白のキャンパスにいらっしゃって下さい。

著書・論文紹介

『戦後日韓関係史』(共著)

(李鍾元=木宮正史=磯崎典世=浅羽祐樹著、有斐閣、2017年、担当した章:第4章・第5章)

『シリーズ日本の安全保障6 朝鮮半島と東アジア』(共著)

(木宮正史責任編集、岩波書店、2015年、担当した章:第8章)

『日韓関係史1965-2015 Ⅲ 社会・文化』(共著)

(磯崎典世=李鍾久編、東京大学出版会、2015年)