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教員メッセージMessage from Professors

鴨田 哲郎

法学科 特別客員教授
鴨田 哲郎
Tetsuo Kamota
専攻:労働法

出身地
東京都
最終学歴
中央大学
所属学会
労働法学会、日独労働協会
研究テーマ
労働時間
担当科目
労働法演習、特設演習、特殊講義(働くとき・雇うときの法)

ワークルールを身につけよう

1.私は弁護士 私の本職は弁護士です。労働問題を労働者・労働組合の立場で取組む弁護士として活動して40年近くになります。労働問題に取組む弁護士は経営(使用者)側に立つ弁護士と従業員(労働者)側に立つ弁護士に明確に分かれます。それだけ利害の対立が厳しいということです。
私が弁護士を志したのは、サラリーマンになりたくなかったからです。そして、70年安保世代としていわば当然に反権力の立場で活動することになりました。

2.これからの働き方・働かされ方はどうなるのか? 日本の労働社会(企業、会社)では、(定年までの)終身雇用、年功序列賃金そして企業内労働組合が3種の神器と言われてきました。皆さんの親御さんの世代もこの中で働いてきたのです。これに対して今、働き方改革なるものが盛んに喧伝されています。グローバル化、AI化の進展の中で、日本的雇用を抜本的に変革しないと世界に伍していけないという人がいます。他方、海外とはあまり関係のない国内の中小、零細企業でもそうなのかという人もいます。いずれにしても、働き方・働かされ方が変わっていく、変えていく時期であることは間違いないでしょう。

3.労働法(ワークルール)は社会人として必須の情報 皆さんの多くは近い将来、雇われて働き、給料を基本的な収入として生活を立てていくことになるでしょう。人を雇う立場に立ったり、自分で起業をする人もいるでしょう。雇うについても、雇われるについてもこれを法律として規律するのは労働法です。
今日、ブラックバイト、ブラック企業からいかに逃れるか、人としての尊厳をもって就活をどう乗り切るか、そのためにもワークルールを知ろうという気持ちは多かれ少なかれ皆さんの中にあると思います。将来、雇われるのか、雇うのかに拘らず労働法の知識(ワークルール)を得ておくことは社会人として生活していくうえで重要なことです。
将来、労働問題でトラブルを抱えたり、巻込まれそうになったとき、何かおかしい、どこに相談に行けばいいのかを社会に現実に生起しているナマの事実で共に考えてみたいと思います。

著書・論文紹介

  • 「民主主義を支えるための労働時間規制」
    (労働法律旬報1831号、旬報社、2015年)

    長時間労働の是正というとまず挙げられるのが、育児・介護と労働の両立(WLB)。今、育児・介護の責任を負っていない労働者はWLBを要求できないのか、生活時間の大半を会社にからめとられることにより、考える葦である人間から考える時間が奪われているのではないか。

  • 『ユニオンへの加入結成と活用』
    (旬報社、2016年)

    日本の労働組合の大半である企業内労働組合から相手にされない労働者が、最近、頼りにするのがユニオンと総称される個人加盟の労働組合。ユニオンとのつき合い方やユニオンは何ができるのかを解説。

  • 「無限定正社員は放置していいのか」
    (季刊労働法248号、労働開発研究会、2015年)

    「限定正社員」がワークライフバランスを確保するためにも必要との論が盛んになっているが、無限定正社員にはWLBは保障しなくていいのか。欧米の労働者は皆、「限定」正社員である。社員の義務の無限定性の確立に裁判所が果たした役割も批判。

  • 『残業』
    (中央経済社、2012年)

    なぜ、残業が発生するのか、現行法では規制できないのか、残業命令には従わなくてはならないのか。残業にまつわる企業での“常識”の誤りを指摘。合わせて労働時間に関する法を解説。