学習院大学 法学部 | 法学科|政治学科

教員紹介Messages from Professors

政治学科 教授

桂木 隆夫Takao Katsuragi

専攻:公共哲学、法哲学

出身地
東京都
最終学歴/学位
東京大学法学政治学研究科/法学博士
所属学会
日本法哲学会、政治思想学会、イギリス哲学会
研究テーマ
市場と民主主義の研究、デビッド・ヒューム研究
担当科目
公共哲学

公共性とはなんだろう?

 最近、公共(性)についての関心が高まっているように思います。それは、勝手気ままな社会風潮の中で、みんなで協力して生活の安全を確保したり、ルールを守ったりする必要性が感じられているということでしょう。

 公共(性)とは、英語ではパブリック(public)ですが、パブリックというと市民とか世論という言葉が連想されます。欧米では、特に近代以降、個人主義の考え方が中心となり、私的利益の追求や利己主義がよしとされてきました。この個人主義や利己主義と、公共(性)がどのような関係にあるのかが問題となります。

 また、私は最近、日本の公共思想について研究してきました。日本では、公共(性)というより「お上」がよく問題になります。また、市民というより庶民といったほうが親しみやすいと感じる人も多いでしょう。「市民は自由と平等を求める」のに対して、「庶民は中長期的な利益であるご利益(ごりやく)を求める」ともいえます。

 公共哲学の講義では、欧米の公共哲学の諸潮流だけでなく、日本の公共思想についても取り上げます。最後に、注意を一言。公共哲学の講義では、いずれも私の思想上の個性がにじみ出るので、講義ではたえず、市場経済とか自由社会とか自由という言葉を、耳にたこができるほど聞かされます。そのことを心にとめて、講義を聞きに来てください。

 国際化、グローバリゼーションという流れの中で、また日本のインバウンド景気など、立憲民主主義と市場経済という公共的枠組みの中で、日本文化の多様性や在日外国人や来日外国人に対して健全な好奇心を持ち、多様なコミュニケーションを図ってゆく必要があります。大学で学ぶ目的は、こうした事柄に関心を持ちつつ、議論の力を養成するとともに、幅広い人間関係を形成することにあると考えています。

著書・論文紹介

『公共哲学とはなんだろう(増補版)』

(勁草書房、2016年)

『慈悲と正直の公共哲学』

(慶應義塾大学出版会、2014年)