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教員メッセージMessage from Professors

古城 毅

政治学科 教授
古城 毅
Takeshi Kojo
専攻:西洋政治思想史

出身地
東京都
最終学歴
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了/博士(法学)
所属学会
日本政治学会、政治思想学会、社会思想史学会、日本イギリス哲学会
研究テーマ
自由主義、政治と宗教の関係、フランス革命
担当科目
西洋政治思想史Ⅰ・Ⅱ、西洋政治思想史演習など

政治学科での勉強

政治学科の学生は、どんな風に勉強しているんですか?そういった質問をよく受けますので、私が担当している少人数制の授業の様子を紹介したいと思います。
政治学科の1年生は皆、「基礎演習」という授業を1年間履修します。これは20人前後のクラスで、政治学についての基礎的な知識、それから大学生に求められる基本的な情報発信能力を身に付けることを目的としています。
私のクラスではディベートや、パワーポイントを使ったプレゼンの練習を取り入れています。ディベートに関しては、どういうテーマを選べば、対立する2つのチームの間のバランスが上手く取れて面白い議論が成立するのか、準備段階でよく考えてもらいます。
またディベート中は、自分たちの議論が本当にかみ合っているのか、絶えず確認してもらいます。上手く議論することは難しいけれども、それに成功すれば、自分の考えが、帆に風を受けた船のように、ふわっと前に進む素晴らしい瞬間が訪れる。それを体験してもらうことが、ディベート練習の目的です。
他方、プレゼンは、自分が関心を持っているテーマを自由に選んで行ってもらいます。一生懸命準備して、他の人たちがじっと聞き入ってくれるような報告ができた時の達成感。それを味わってもらうことが、プレゼン練習の目的です。
今の学生さんはみな、文字だけでなく、画像・ビデオをパワーポイントに取り入れるのが上手で、毎年、とても高度で創造的なプレゼンをしてくれます。
少人数制の授業は、2年生以降も、「特別演習」や「ゼミ」(3年生から)において継続されます。私の授業では、ディベートやプレゼンのほかに、ディスカッションや作文の練習も取り入れています。
他人の意見をしっかり聞いたうえで自分の考えをまとめ、的確に発言すること。構成を工夫して、他人に伝わるような文章を書くこと。どちらも、簡単ではありませんが、少人数クラスで、仲の良い学友たちと一緒に練習を重ねていくと、しだいにコツがつかめてきます。
さて最後に、ふだん私がどんなことを研究しているのか、簡単にお話します。私は西洋政治思想史の研究──西洋世界で過去に政治や社会について深く考えた人たちと、書物を介して対話しながら、現代世界について考えるという営み──にたずさわっています。
「政治」思想といっても、そこには哲学、文学、歴史、宗教、経済、自然科学など、今日では政治と区別された諸学問が含まれています。昔の人たちは、人間社会の諸活動を一つのまとまりとして捉えようとしていたからです。
昔の人たちのように多様で総合的な知識を持ち、彼らと上手く対話し、有益な情報を発信していくことは容易ではありませんが、知的好奇心が旺盛な学生さんたちに励まされながら、精進する日々です。

著書・論文紹介

  • 「フランス革命期の共和政論─コンスタンと、メストル、ネッケル、スタール─」『国家学会雑誌』第117巻第5/6号
    (国家学会、2004年)

    フランス革命期の共和政機構論の特徴──執行権の合議制と地方分権──を、当時の代表的論者を取り上げて検討した論文。テーマ史と個人の思想研究の両立、共時性と通時性の両立に苦労し、私の研究の出発点となる。

  • 「商業社会と代表制、多神教とデモクラシー──バンジャマン・コンスタンの近代世界論とフランス革命論(一)~(五)」、『国家学会雑誌』第127巻3/4号~11/12号、2014年

    フランス革命期から19世紀前半に活躍した思想家バンジャマン・コンスタンの青年期から晩年に至る思想の軌跡を、残された草稿群も検討しながら、たどった連載論文。自由な社会と経済の関係、代議制民主主義の課題、近代世界における宗教の位置づけ、神話・文学とデモクラシーの関係などについて考察した。

  • 『社会統合と宗教的なもの─十九世紀フランスの経験』(共著)
    (宇野 重規、髙山 裕二、伊達 聖伸編著、白水社、2011年)

    第一章「商業社会・宗教感情・連帯─コンスタンとボナルド」を担当。19世紀初めのフランスを題材にして、社会の商業化、平等化、あるいはグローバル化の中で、政治と宗教はどのような役割を担うのか、社会的連帯の基礎をどこに求めるのかといった問題について考察。

  • 「代表制と理性に基づく統治──フランス革命期の、シスモンディ、スタール、ならびにコンスタンの代表制論」『政治思想研究』第16号、2016年