学習院大学法学部 | 法学科|政治学科学習院大学法学部 | 法学科|政治学科

教員メッセージMessage from Professors

小塚 荘一郎

法学科  教授
小塚 荘一郎
Soichiro Kozuka
専攻:商法

出身地
愛知県
最終学歴
東京大学法学部/博士(法学)
所属学会
私法学会、海法学会、比較法国際アカデミー(AIDC)
研究テーマ
商法、会社法、宇宙法
担当科目
商法演習、特設演習(Transnational Commercial Law)

商法、それは大人の世界への入り口

朝起きたら、まずテレビをつけますか。それとも、スマホをチェックしますか。スマホでメッセージが送れるのも、地図の検索ができるのも、通信会社(キャリア)と契約しているからです。テレビの番組は、テレビ局と番組製作会社、タレント、テーマ音楽の作曲家などとの間にたくさんの契約があって、作られています。
大学までの通学は、電車に乗りますか、それともバスを使いますか。どちらも、毎日乗るたびに、運送契約が成立しています。歩いて大学まで来る人も、途中のコンビニでパンを買いませんでしたか。代金を電子マネーで払うことができるのは、電子マネーの発行会社と私たち利用者、そして発行会社とコンビニのお店の間に契約があるからです。コンビニでバイトをすれば、皆さんも企業の一員ですね。バイトの大学生でもレジを操作して、商品を売ることができるのは、企業(お店のことです)からそういう権限を与えられているからです。
私が研究し、学生の皆さんに教えるのは、「商法」という科目です。教科書を見ると、「商法とは企業組織と企業取引に関する法律である」などと書いてあって、どこか遠い世界の話のように聞こえますが、実は、私たちの日常は、朝から晩まで、「企業組織」と「企業取引」に囲まれているのです。その日常が、どのような契約や法律にもとづいて動いているのかを探っていくのが、商法です。ですから、商法は、知れば知るほど面白い分野です。
ところが、商法は難しい、イメージがわかない、と感じる人も多いようです。その一番の理由は、現実の「企業」のスケールだと思います。上場会社の社長は、数万人の従業員のリーダーです。リーダーが、全員に給料を支払えるだけの利益を上げるためには、サークルなどとは違った組織運営の仕組み、いわゆるコーポレート・ガバナンスが必要になります。飛行機は、小型の旅客機でも1機で数十億円、大型機なら数百億円の価格になります。この金額を、肉まんを1個100円で買うときのように、現金で払う買い手はほとんどありません。そんなとき、商法を専門とする法律家は、外国の法制度なども利用しながら、「ファイナンスのスキーム」を作り、取引を成立させます。
身近であると同時に、大人の世界の入り口でもある。それが、商法という分野だと思います。好奇心の旺盛な人、国際ビジネスに興味がある人、そして就職や将来のキャリアが気になる人は、ぜひ商法の授業を聞いてみて下さい。なるほど、社会はそうなっているのかと思ったとき、あなたは大人に一歩近づくのです。

著書・論文紹介

  • “Plurality in the Broadcasting Sector: An Agency Cost Analysis of the Regulation in Japan”Asian Journal of Comparative Law Vol.5
    (Faculty of Law, National University of Singapore、2010年)

    日本の放送法を題材として、放送事業者(NHK、民放など)の規制について、会社法の視点から考えてみました。

  • 『支払決済法──手形小切手から電子マネーまで〔第2版〕』(共著)
    (小塚荘一郎、森田果著、商事法務、2014年)

    手形、小切手、電子マネーなど新旧の支払手段を統一的に分かりやすく解説したテキストです。全体にわたって何度も議論しながら、共同作業で書きました。

  • 『宇宙ビジネスのための宇宙法入門』(共著)
    (小塚荘一郎ほか、有斐閣、2015年)

    宇宙ビジネスという観点から、宇宙活動に関する国際法と国内法をわかりやすく解説。