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教員メッセージMessage from Professors

能見 善久

法科大学院 教授
能見 善久
Yoshihisa Nomi
専攻:民法

出身地
東京都
最終学歴
東京大学法学部
所属学会
私法学会、信託法学会
研究テーマ
不法行為、契約、信託
担当科目
民法、信託法、比較法

大学は世代間の知識移転の場

私の専門は、民法の不法行為法、契約法、信託法などです。法学部の授業では、民法、比較法、信託法などを教えています。また、法科大学院では、民法関係の授業全般を担当しています。
大学の授業は、世代間の知識移転だと思っています。私の研究、社会的経験に基づいて、法学の専門的知識や考え方を、次世代の担い手である学生諸君に伝達するのが私の役目であると思っています。
私自身も、そのようにして前の世代の先生や先輩から知識や物事の考え方などを受け取ってきました。このような世代間の知識移転が繰り返し行われてきたのです。これは考えて見ればすごいことで、こうした世代間の知識移転の結果、われわれは長い人類の歴史そのものを経験することができます。一人ひとりの人生はせいぜい7、80年かもしれませんが、人間は知識・経験を伝承することができるために、一人の短い人生の間に、何千年という人類の歴史を追体験することができます。
しかし、私が受け継ぎ、発展させた知識・経験は、その全てが学生諸君に引き継がれるわけではありません。学生諸君にとって面白くないもの、価値がないと考えるものは落ちて行きます。そこで、私の方ではできるだけ皆さんの中に残るように、そして皆さんを通じて、さらに次の世代にも引き継がれていくように、いろいろな努力をします。学生諸君が面白いと思うような授業、皆さんが学ぶ価値と実益を感じるような授業をするように努力しています。
このように大学では教える側と教わる側の静かなバトルが繰り広げられているのです。しかし、このバトルは通常は教える側も教わる側も意識することがありません。
大学では平和な内に時が流れていきます。この平和で静かな環境、外から脅かされることのない自由な空間、それが大学の神髄です。学生諸君はこのような環境で自由に思考し、教員やクラスメートと議論し、自分を磨いていきます。そしてある学生は、飛躍的に伸び、ある学生はそのチャンスを逃してしまう。この貴重な大学時代の4年間も、あっという間に過ぎてしまいます。
私は、学生諸君全員が私とのバトルの中で開花し、自分を発見し、将来の発展の基礎を作れるように、常に刺激を与え続けたいと思っています。

著書・論文紹介

  • 「投資家の経済的損失と不法行為法による救済」 
    企業法の変遷 前田庸先生喜寿記念(前田重行、神田秀樹、神作裕之編、有斐閣、2009年)

    会社が提供した虚偽の情報に基づいてその会社の株式を購入した株主が「損害」を蒙ったとして賠償請求をしている訴訟の不法行為法上の論点を分析します。

  • 「『痛み分け』社会の民法」論文から見る現代社会と法
    (落合誠一編、有斐閣、1995年)

    日本では諸外国と比べて「過失相殺」が多用されています。日本の文化的背景・法意識との関係でその特徴を論じます。

  • 「桃中軒雲右衛門事件と明治・大正の不法行為理論」
    学習院大学法学会雑誌44巻2号(学習院大学法学会、2009年)

    明治時代の浪曲師桃中軒雲右衛門が吹き込んだレコードを無断コピーしたことが不法行為になるか争われた事件を徹底追及し、当時の不法行為理論を分析します。