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教員メッセージMessage from Professors

野坂 泰司

法科大学院 教授
野坂 泰司
Yasuji Nosaka
専攻:憲法

出身地
東京都
最終学歴
東京大学法学部
所属学会
日本公法学会、日米法学会、国際憲法学会
研究テーマ
憲法解釈方法論、憲法訴訟の諸問題、信教の自由と政教分離原則
担当科目
憲法演習(以上、法学部)、憲法1・2・3、憲法入門1・2、憲法判例研究、法文書作成指導1・2(以上、法科大学院)

憲法を学ぶということ

<法科大学院と法学部> 私は、法科大学院の専任教員です。法科大学院とは、法曹養成に特化した高度な法学専門教育を行う専門職大学院です。法科大学院の2年(既修者)または3年(未修者)の課程を修了すると、学生は法務博士という専門職学位を取得し、その後に受験する司法試験に合格すれば晴れて法曹への道が開かれます。学習院大学法科大学院は、2004年に開設され、2006年から始まった新しい司法試験で2016年までに合計174名の合格者を輩出しています。将来法曹となって「法の支配」の一翼を担う仕事がしたいという高い志をもった人たちに是非本学法科大学院の門を叩いてほしいと思います。
ところで、これから法学部に進学しようとしている皆さんは、法学科に入ったら法律を、政治学科に入ったら政治を勉強するものと思っていませんか。たしかに法学科では主として法律を、政治学科では主として政治を勉強することになります。しかし、入口は違っても、法学部に入学したら、どんどん越境してそのどちらも勉強してほしいと思います。他学部の科目も興味があれば許される限り履修すべきです。将来法科大学院に進学しようと考えている人も法律ばかり勉強していては駄目です。むしろ、そういう志望をもっている人こそ法学部では幅広く学び、視野を拡げる努力をしてください。

<日常の中の憲法> 私の専門は、憲法です。憲法というと、何やら遠いものと感じてしまう人も少なくないかもしれません。しかし、実は憲法は意外に私たちにとって身近な存在です。私が法学部で担当している憲法演習では、「日常の中の憲法」と題して、私たちの身の回りで起こっている憲法問題――あるいは、多少なりとも憲法に関係する問題――で、学生の皆さんが関心をもって持ち寄った問題を検討することにしています。これまでに取り上げたテーマは、憲法改正、天皇制(女性・女系天皇、生前退位)、集団的自衛権、成人年齢の引き下げ、夫婦別姓、再婚禁止期間、待機児童、マイナンバー、NHK受信料等々、実に多岐にわたります。自分たちが関心をもって取り上げたテーマであるだけに報告者もきちんと準備してきて、毎回活発な議論が展開されます。

<憲法を学ぶ意義> 憲法は将来法曹や公務員を目指す人たちにとっては必須科目ですが、私としては、むしろ大学卒業後普通の市民として生活していく人たちにこそ、しっかり憲法を学んでほしいと思っています。憲法は、国家の基本法として、権力を行使する人たちを縛るものです。主権者である私たち一人ひとりがその内容をきちんと把握しておくことが大切だと思います。

著書・論文紹介

  • 『憲法基本判例を読み直す〔第2版〕』
    (有斐閣、2017年)

    憲法の基本判例を厳密に読み直す作業を通じて、個々の判例に対する理解を深め、あるいはそこに新たな意味を見出すとともに、日本国憲法がどのように具体化されているかを明らかにすることを目指したもの。

  • 「憲法解釈の理論と課題」
    公法研究66号 (有斐閣、2004年)

    憲法解釈の方法論に関する研究。従来の憲法解釈方法論の問題点を指摘し、あるべき憲法解釈の方法論について原理的な考察を展開するとともに、制度的視点をも提示したもの。

  • 「いわゆる目的効果基準について─政教分離原則違反の判断基準に関する一考察」『現代立憲主義の諸相(下)』
    (有斐閣、2013年)

    日本の政教分離訴訟において用いられてきた目的効果基準について判例の論理構造を再検討し、この基準のより正確な理解を追究するとともに、今後の政教分離訴訟の行方を展望したもの。

  • 『憲法(4)〔第3版〕』 (共著)
    (阿部照哉ほか編、有斐閣、1996年)

    第3章「裁判所と違憲審査制」を執筆。司法権に関する憲法の基本原則を明らかにし、それに基づいて現行の裁判制度と違憲審査制をできるだけ整合的に説明しようとしたもの。