学習院大学 法学部 | 法学科|政治学科

教員紹介Messages from Professors

法科大学院 教授

大橋 洋一Yoichi Ohashi

専攻:行政法

出身地
静岡県
最終学歴/学位
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了/法学博士
所属学会
日本公法学会、日独法学会
研究テーマ
行政スタイルの比較実証研究
担当科目
行政と法、行政法Ⅰ、行政法Ⅱ、判例行政法、行政法演習

議論の作法を学びましょう

 例年、3年生や4年生を対象に、行政法演習というゼミナールを開講しています。参加者には、関心を持った社会問題をテーマに、ゼミ論文を書いてもらうことを課題としています。テーマは行政法に関係なくても、全くかまいません。自分でテーマを見つけること、それに関した資料等を収集できること、演習参加者の前で自分の考えをプレゼンテーションできることのほか、特に大切にしているのが、「議論の作法を学ぶ」ことです。

 参加者の報告によく見られる傾向として、次の4つがあります。1つは、推測を基に議論を行うタイプです。「この問題は、おそらくこうしたことだろうと思うので、」といった報告スタイルです。身近な友人や先輩の発言にもっぱら基づいて報告するのも、同じタイプに属します。2つは、評論家のような報告。「こういった問題がありますので、今後の課題ですね」といった指摘で終わるタイプです。3つは、決めきらずに、余韻を持った表現方法を好むものです。「~みたいな」、「~のような」と、ふわっとした言い回しを特徴とします。4つは、他の参加者から指摘を受けても、「ありがとうございます。これから調べます」と、引き取って終わりとするスタイルです。

 こうした一見謙虚とも思われれる報告スタイルの、一体どこが問題なのでしょうか。ゼミでは報告の作法について、丁寧に指導しています。

 報告で大切なのは、第1に、調査を尽くして、事実に基づいて議論すると言うことです。推測に基づいた報告では、後に続く議論はぐらぐらしてしまいます。第2に、報告では、私見をつけることが最も大切です。建設的な提言を付して、はじめて報告といえます。第3に、自分の全力を尽くして得た結論であれば、大胆に打ち出してほしいのです。批判を受けたってかまいません。むしろ、批判によって考え直す刺激やエネルギーを得ることができますし、議論を通じて、結果として私見を高めることが可能になるのです。第4に、他者と意見のキャッチボールを楽しんで下さい。相手の説明に満足できなければ、率直に疑問をぶつけて、満足行くまで質問を繰り返すことが大切です。自分の抱いた疑問には正直であるべきで、そのために遠慮は不要です。こうした議論の作法を学ぶことは、大学で学ぶことの中で最も大切なものです。みなさんも、是非、議論の輪に加わって下さい。

著書・論文紹介

『行政法Ⅰ 現代行政過程論(第3版)』

(有斐閣、2016年)

『社会とつながる行政法入門』

(有斐閣、2017年)

『行政法Ⅱ 現代行政救済論(第3版)』

(有斐閣、2018年)

  • 『社会とつながる行政法入門』(有斐閣)