学習院大学 法学部 | 法学科|政治学科

教員紹介Messages from Professors

政治学科 教授

阪口 功Isao Sakaguchi

専攻:国際関係

出身地
河内
最終学歴/学位
博士(学術)
所属学会
International Studies Association、日本国際政治学会、日本湿地学会、環境経済政策学会
研究テーマ
地球環境ガバナンス
担当科目
国際政治Ⅲ・Ⅳ、グローバルガバナンス論演習

地球環境ガバナンスと山・川・海

 在外研究中(2018年夏迄)のカリフォルニア州モントレーでは、美しい自然の海岸を散策しながら、ケルプの森に集まるラッコやアザラシ、沖を回遊するクジラの潮吹きを眺める日々です。手厚く保護された干潟には貝やゴカイが湧き、ラッコや魚を育んでいます。同州ではダムの撤去も急速に進んでいます。

 方や日本の海はコンクリートだらけ。ダムを造りすぎた結果、川からの砂の流入が減り、そのため浸食が進む海岸をコンクリートで固めて守っています。山と海は川を通じてつながっているのです。その川もコンクリートで固め尽くされ、干潟は干拓事業で潰され続けてきました。生態系を破壊された川や海からは生き物が消えていきます。「土建国家」と揶揄された日本の姿です。

 これを政治家や官僚のせいにするのは簡単です。しかし、政策は「国民の考え」と表裏一体です。国民は、絶滅危惧種に指定されたウナギや太平洋クロマグロを漫然と消費し続けています。やっていることは「土建国家」と変わりはありません。

 市民社会が成熟している欧米では大手スーパーはこのような魚を調達から外します。啓発されたマーケットの力により、漁業者も乱獲を思いとどまるようになり、政府も国際機関も資源管理に積極的になっています。山川海がつながっているように、市民社会と政府、国際機関もつながっているのです。私が専門とする地球環境ガバナンスは、環境と社会を包括的にとらえ解決策を模索する学問です。

著書・論文紹介

「地球環境ガバナンスの理論と実際」

亀山康子=森晶寿編『グローバル社会は持続可能か』(岩波書店、2015年)

「市民社会:プライベート・ソーシャル・レジームにおけるNGOと企業の協働」

大矢根聡編『コンストラクティヴィズムの国際関係論』(有斐閣、2013年)