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教員紹介Messages from Professors

政治学科 教授

坂本 孝治郎Kojiro Sakamoto

専攻:政治学・現代日本政治論

出身地
鹿児島県
最終学歴/学位
東京大学大学院博士課程(単位取得退学)/法学博士
所属学会
日本政治学会、日本選挙学会
研究テーマ
政治と儀礼、政治と象徴、日英議会政治・比較研究
担当科目
日本政治過程論Ⅰ・Ⅱ、外国書講読、日本政治過程論演習

“オクトーバー・サプライズ(2017)”―アラカルト

 この言葉は、米国大統領選投票日(Super Tuesday)が11月上旬に設定されていることに由来し、選挙戦を最終局面で有利に展開するために(或は、起死回生の挽回策として)、再選を狙う候補者があっと驚く作戦等を10月に敢行して選挙民を引き付ける、そのイベント戦略を指している。ノーベル賞発表の月でもある10月、日本はどのような出来事環境にあったのか。北朝鮮による逐次断続的なミサイル等発射は9月中旬から途切れているが、どうやらサプライズなしに2017年10月は経過しそうである。その自粛(静粛)要因を試みに説明してみよう。米国と北朝鮮のボス間では、挑発的な言辞・レトリックの応酬、悪者・悪漢イメージの添付合戦、フール化・滑稽化の派生ゲーム、などが自己満足的(攻撃欲求解消的)に展開されている。

  1. ①既に前哨戦を十分にやり切った充足感(徒労感?)、何段かにわたるミサイル発射と画期的核実験、コスト負担の見直し(制裁によるガソリン不足)。
  2. ②最重要事・中国共産党大会(10.18~24)、習近平第2期政権スタート(10.25)に対する配慮(義理立て)、挑発・意趣返しの繰り返しを禁欲(レッドラインを踏まず)。
  3. ③日本の総選挙の渦中(10.10~22)に行なえば、条件反射的に安倍首相・自民党を逆支援することになる、それを避ける合理的判断。
  4. ④ベトナムでのAPEC首脳会議開催前、11月上旬に極東(日韓中)を訪問するトランプ大統領による、朝鮮半島(近辺)での軍事合同演習(10月中旬~11月上旬)の展開・顕示的牽制。米国の攻撃態勢の見せつけを警戒して自粛。
  5. ⑤或は、米朝間で非公式的な接触が密かに試みられていて、何らかのディールが追求されている。成就すれば、これこそがサプライズになろう。

 むしろ、2017年10月のサプライズ(でない)事象として、「抜き打ち解散(国難突破?・自己都合!)」による自民党大勝(自公2/3再現)、「希望(気泡!)の党」・小池カリスマの幻惑崩壊、立憲民主党の人気急上昇(「まっとうな政治」シンボルの威力再発見)、皇后誕生日(10.20)にシンクロした朝日新聞報道―「天皇陛下退位 19年3月末 即位・新天皇 4月1日」etc./なるほど、12月には、朝日新聞の日程報道を外す形で、安倍首相は退位を4月末にする決定を主導しました。

 ところで、北朝鮮は2カ月半(75日)ぶり、11月29日に弾道ミサイルを発射しました。一説によれば、2カ月ほど自粛姿勢をみせれば“dealの余地あり”と北朝鮮側にあるルートで伝達されていたとのこと。韓国での冬季五輪開催を前に1月中旬には南北間での接触・協議もあり、再び、少なくとも75日間の自粛(2018年2月中旬まで)が演出されそうである。

*以上、2018年1月20日

著書・論文紹介

「『政治と儀礼』研究ノート(Ⅳ)―2015年・総選挙後の英国議会儀礼を中心として」

学習院大学法学会雑誌 第51巻1号(学習院大学法学会、2015年)

「象徴天皇制の儀礼構造―関係儀礼に見るソフトパワーの動態―」

東洋文化研究 第14号(学習院大学東洋文化研究所、2012年)