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教員メッセージMessage from Professors

庄司 香

政治学科 教授
庄司 香
Kaori Shoji
専攻:アメリカ政治

出身地
東京都
最終学歴
Columbia University/Ph.D in Political Science
所属学会
日本政治学会、American Political Science Association など
研究テーマ
アメリカの政治制度、政党組織、利益団体
担当科目
アメリカ政治Ⅰ・Ⅱ、アメリカ政治演習、現代アメリカ政治

ようこそアメリカ政治の迷宮へ

学部生用の講義では「アメリカ政治」のⅠとⅡを担当しています。「アメリカ政治Ⅰ」では、フォーマルな制度的側面を中心に扱います。最初にまず、アメリカの憲法がどのようにして形作られたのか見ていきます。現代のアメリカ政治を考えるために、建国期にまでさかのぼって憲法の成り立ちを理解しようとすることが必要なのか?と思う方もいるかもしれません。
実は、アメリカは建国以来200年以上も(わずかな修正を加えるだけで)同じ憲法を使い続けている世界的にも珍しい国です。建国期にどのような意図で政治制度が設計されたのかを考えることは、制度が時間を超えてもつ影響力を観察し、制度設計がもたらした意図せざる結果について検討する助けとなります。
次に、授業では「市民的自由」と「市民的権利」の概念について紹介します。アメリカの学生なら法律専攻でなくても誰もが知っているようないくつかの有名な判例を通じて、変わらない憲法の文言を根拠に保証される自由や権利のあり方が歴史的にどう変わってきたのかを概観します。
そして、いよいよ連邦議会、大統領、官僚制度、司法府について詳しく学んでいきます。連邦議会の制度設計や実際のルールを知ることは、政治のアウトプットに生じるバイアスを理解するうえで重要です。大統領のフォーマルな権限を学ぶことで、大統領・議会関係の歴史的変遷も理解できるようになります。日本とは規模がちがう政治任用と官僚組織への影響についても、大統領や議会による民主的統制という角度から考えていきます。
最後に、アメリカ政治においては、裁判官もまたきわめて政治的なアクターであるということを、判事の選出方法を軸に考察します。
「アメリカ政治Ⅱ」では一転して、アメリカ政治を規定するさまざまなインフォーマルな要素をみていきます。例えば、世論やメディアの果たす役割という角度から、アメリカにおける女性の政治進出(とその停滞)について考えてみます。また、移民の国であるアメリカをひとつに統合する理念の変遷や、アメリカ独特の「保守」と「リベラル」のあり方についても紹介します。
そうした政治文化の上に成り立つ政党もまた、憲法の中には言及されないという意味ではインフォーマルな存在です。二大政党制の典型例として言及されることの多いアメリカの政党の変遷と特徴は、アメリカ政治のもうひとつの重要なアクター、利益集団との対比のなかでよりよく理解することができます。
多様な利益を代表する多様な政治的アクターたちが繰り広げる、多様な権力関係とそれを映し出す「政策決定過程」は、これまで学んだすべてが有機的につながるひとつのハイライトです。ぜひアメリカ政治の迷宮を探検しに来てください。

著書・論文紹介

  • 『現代アメリカ 日米比較のなかで読む』(共著)
    (渡辺靖編、新曜社、2014年)

    日本との比較を意識しながら、現代アメリカを政治・経済・社会・文化・外交の視点から読み解く入門書です。「I部 政治」の執筆を担当しました。

  • 「変容するティー・パーティー運動と2012年共和党連邦上院予備選挙」『法学会雑誌』48巻2号
    (学習院大学、2013年3月)

    草の根の熱狂からプロ化へと変貌するティー・パーティーの姿をあぶりだします。

  • 「世界の予備選挙─最新事例と比較分析の視角─」
    選挙研究27巻2号(木鐸社、2011年)

    世界の様々な国で政党がどう候補者選びを行なっているか、「プライマリー」というキーワードを軸に分析しています。

  • 「日本の二大政党と政党候補者公募制度─自民党宮城県連の経験が示す制度のエボリューション─」『法学会雑誌』
    48巻1号(学習院大学、2012年9月)

    日本の主要政党による候補者公募制度の実態をひも解きます。