学習院大学 法学部 | 法学科|政治学科

教員紹介Messages from Professors

法科大学院 教授

若松 良樹Yoshiki Wakamatsu

専攻:法哲学

出身地
宮城県石巻市
最終学歴/学位
京都大学大学院後期博士課程/京都大学博士(法学)
所属学会
日本法哲学会、IVR、日本倫理学会、日米法学会
研究テーマ
法と心理学、パターナリズム
担当科目
法哲学、法哲学演習

リンゴと空をさまよう言葉

 私はリンゴが好きで、リンゴであれば、結構たくさん食べられます。でも、一玉か二玉食べれば十分です。しかし、リンゴを抽象化し数で表現して、1と5のどちらが欲しいかと問われたならば、5が欲しいと答えると思います。5玉も食べられないにもかかわらずです。抽象化は便利ですが、下手をすると空回りして、リンゴのような具体的なものから離れて、変な結論を導き出します。

 同じことは言葉についても言えます。国を愛するというのは、もしかすると自然な感情なのかもしれませんが、それを愛国と表現した時点で、自然な感情から離れて、抽象的な言葉として空をさまよいます。そして、時として、自分や他人に無理を強いることになるのです。

「あなたは何主義ですか?」と問われることがあります。そのたびに私は居心地が悪くなります。アルコール中毒を英語ではalcoholismと呼びますが、「君はビール中毒かね、それとも、ワイン中毒かね?」と問われている気がするのです。私も素面ではなく、酔っ払いかもしれませんが、中毒にはなりたくないものです。

著書・論文紹介

『自由放任主義の乗り越え方』

(勁草書房、2016年)

『センの正義論』

(勁草書房、2003年)