学習院大学 法学部 | 法学科|政治学科

教員紹介Messages from Professors

法科大学院 教授

安村 勉Tsutomu Yasumura

専攻:刑事訴訟法

出身地
東京都
最終学歴/学位
上智大学大学院博士後期課程
所属学会
日本刑法学会
研究テーマ
陪審制・参審制・裁判員制度
担当科目
刑事訴訟法

変革期の刑事訴訟法

 刑事訴訟法は今、変革期です。現行憲法の施行に対応して1948年に全面改正された後、約半世紀にわたって、大きな改正は行われませんでした。しかし、その刑事訴訟法も、1999年の通信傍受法の制定を嚆矢として、法改正の時代に入りました。犯罪被害者の保護のための法改正、とりわけ司法制度改革審議会の「意見書」に基づいて2004年に新しく導入された裁判員制度は、刑事訴訟の在り方を大きく変えるものでした。起訴前の被疑者に対して国選弁護制度が拡大され、裁判を迅速・円滑に進めるために公判前整理手続が新設され、裁判が連日的に開廷できるようになりました。検察審査会が検察官の意思に反して被告人を起訴できるようになったのもこのときです。これらは、いずれも立法が沈黙していた半世紀の間、懸案事項とされてきたことです。最近では、2016年にさらなる刑事訴訟法改正が行われ、捜査機関による被疑者の取調べの一部が録音・録画されるようになるなどしました。

 これらの変革を、諸外国で既に導入されている制度に倣っただけで、日本の刑事司法もグローバル化への道を歩み始めた、と見るか、逆に、日本の刑事司法の良さも同時に失われてしまう、と見るか。どのように評価するかは、今後の運用を見なければなりません。そして、その評価をするのは、きっと私のような高齢者ではなく、これから大学に入って未来を背負ってゆく皆さんです。

著書・論文紹介

「自白事件の処理」

刑事法ジャーナル45号(成文堂、2015年)

「通信傍受法改正と捜査」

法律時報88巻1号(日本評論社、2016年)