史学科 学科紹介

Q1.両親から「文学部に進学すると就職できなくなる」と心配されています
Q2.卒業後に歴史に関係する仕事に就きたいのですが、どんなものがありますか
Q3.史学科で学ぶとどのような資格を取得することができますか

Q4.在学中に留学したいと考えているのですが、実際はどのような様子でしょうか
Q5.史学科での外国語科目の履修のしかたについて教えて下さい


Q&A

Q1.両親から「文学部に進学すると就職できなくなる」と心配されています

 さまざまな統計からみて、本学文学部の卒業生と他の文科系学部(法学部・経済学部)の卒業生との間に、就職先企業や就職率のうえでの顕著な違いはありません。これは、比較的経済環境の良い最近数年間のことだけではなく、「就職氷河期」と呼ばれたいわゆるバブル崩壊期にも、変わらず認められていた傾向です。もちろん、必ず希望通りの就職ができるというわけではありませんが、本人に就職に対する強い意思があり、しかるべき努力をはらっていさえすれば、しっかりした職場に就職しているのが実態です。これまでの就職実績から見て、本学文学部は企業社会の側からも高く評価されてきたと言えます。
  史学科卒業生たちの力の中で、企業の人事担当者から高く評価されているのは、原稿用紙100枚の卒業論文を、独自の調査や考察に基づいて手書きで仕上げている点です。「字を知らない」「文章を書けない」といった昨今の若者の実情については、企業・行政の現場でも問題視されているからなのでしょう。
  他方、卒業生からは、「職場で書く文章なんて、史学科の卒論に比べればたいしたことではない」という声も聞かれます。調査・考察の厳しさや論理性、文章・調査の分量などの点で、学生時代の経験が大きく活かされているという意見でしょう。ゼミでの発表や卒業論文などの教育上の課題を通して、他の文科系学部、たとえば法学部や経済学部などに比べて、独自に課題を設定し、調査・考察して説得力ある議論を構築するという、基礎的な人間能力の養成に周到な配慮を行っているので、在学中に身につけたことが、現実社会に出てからも多方面に応用できるのです。現場で独自に問題を捉えて対処するということは、学校で知識として学ぶような単純なものではありません。このような能力は20歳前後に基礎ができるものなので、文学部で学んだ「知識」よりも、むしろ文学部で鍛えられた問題設定能力・問題解決能力のほうが、企業社会のなかで役に立つものとなるでしょう。
  このような力を鍛えるためには、「本人のなかからわき起こる力」がフルに発揮されることが必要です。「いやいやながらする勉強」ではだめで、「どうしても見極めたい欲求」にもとづいて取り組む状態でなければ鍛えようがないのです。その意味で、本当に自分の興味がある学習に取り組む、という観点で進学先を考えることが大切です。
  史学科では、学生を十分に鍛えて社会に送り出しています。そのように鍛えることができる理由は、本人のやりたいことを見つけさせ、最大限に力を発揮する状態に導いているからです。ご家族の方々には、潜在的な力を自覚したい、伸ばしたい、という欲求に、充分に応えられる学科だということをご理解いただきたいというのが教員の希望です。

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Q2.卒業後に歴史に関係する仕事に就きたいのですが、どんなものがありますか

歴史を研究し、成果を教え、普及させる仕事として、以下のようなものがあります。
 【研究・教育職】
  研究に携わる職としては、大学・短期大学など高等教育機関の教員や各種研究機関の研究員、さらに博物館・文書館などの学芸員が挙げられます。自分の好きな研究だけしておればよいというポストはまったくありません。それぞれの職には、学生に教える教員としての面、自分の研究とは別に公的な課題になっている遺跡や史料の調査・報告や出版物刊行事業を行う調査員・編纂者の面、最新の成果を展覧会などを通じて社会に知らせる社会教育者としての面があります。いずれにせよ、これらの職に就くためには、まず一流の研究者として認められる必要があり、史学科卒業後ただちに選択できるものではなく、また、大学院で学んだからというだけで確実に保障されるものでもありません。どうしたら一流の研究者として認められるのか、それは結果として認められた本人にさえ分からないものです。支えとなるのは研究を続けようとする本人の意思だけで、おそらく、良いテーマ・着想・史料との巡り合わせや、その研究に価値を認める社会の側の動きとの巡り合わせによって左右されることと思われます。
  高等教育機関の教員や各種研究機関の研究員については、大学院修了の学位が資格要件のひとつになります(しばらく前まではおおむね修士の学位でしたが、近年では博士の学位を要求される場合が多いようです)。博物館・文書館などの学芸員もおおむね大学院の学位を有している場合が多いのですが、作品・遺物・史料などを扱う専門的な技能を有することを示す「学芸員資格」も必要な条件になります。学芸員資格は大学に在学しているあいだに取得することが可能です。
 【中等教育機関の教員】
  高等教育機関の教員は研究と教育の双方に携わる職ですが、中等教育機関(高等学校・中学校)の社会科教員も、最新の研究成果を生徒に教えるという意味で、研究との接点が強いポストです。ポストの数も大学教員や学芸員を大きく上回るポピュラーなものです。
  大学在学中に教員免許状を取得し、大学卒業後ただちに、ないしは非常勤教員として経験を積んだうえで、専任教員になることができます。大学院を修了してこれらの職に就く人も数多くいます。
 【図書館司書およびマスコミ・出版・書籍流通】
  図書館の司書は、歴史に限らず図書館の業務に携わる専門職です。書物の普及という点では、書籍の編集・発行を行う出版社や、流通に関わる書店に就職している先輩も数多くあります。報道という形で普及に関わる新聞・雑誌・テレビなど、マスコミも希望の多い就職先です。ただし、出版やマスコミへの就職希望者は史学科に限らず非常に多くの学科におり、競争率も高くなるのが現実です。さらに、出版・マスコミの現場で歴史を専門に扱っている担当者は、大学院生にも負けない該博な知識をもっておられ、職場にあって常に必要な勉強をされているのです。
 【専門家になりたければ】

  現代の大学教育のうち、4年間という限られた学部教育の期間内では、社会的にまれなタレントの持ち主としての専門家を養成することは無理であると考えられるようになっています。もしも、歴史に関わる専門家として認められ、これに相応したポストに就こうと考えるのならば、最低でも大学院博士前期課程、場合によっては博士後期課程に在学して、しかるべき研究成果を挙げて学位を取得し、学術雑誌に成果を発表して社会から認められる必要があります。そうでない場合には、書籍の出版・流通の現場から、または、行政のうち社会教育や学校教育の現場から、場合によっては出版・マスコミの現場から、歴史研究との関係を保って仕事をしてゆくということになるでしょう。
  ただし、歴史というものは、現代という時代や、この世界をどのように捉えるのか、という問題について、過去を手がかりとして考える営みです。それを職業としない人にとっても生きた意味のある学問ですから、就職先を考えるときに、歴史学との関係を優先的な選択条件にすることが適切であるのかどうか、よく考えるべきです。最初に述べたように、私たちは歴史が産み出されつつある現場を日々生きているのです。

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Q3.史学科で学ぶとどのような資格を取得することができますか

 史学科在学中に取得が可能な職業資格として基本的なものは、中等教育の教員資格、博物館などの学芸員資格、図書館の司書資格の3つです。履修のしかたの詳細については、本学の教職課程学芸員資格取得、および学習院女子大学の図書館司書のホームページなどをご覧ください。
 
【教員免許状の取得】
  中学校の社会科、高等学校の地理歴史科の第1種免許状は、史学科の卒業に必要な科目のほかに、本学の教職課程が開設している科目や教育実習など(中学校の場合には「介護等体験」も必要)を履修することで、卒業証書授与と同じ日に受け取ることができます。1年次に教育基礎・教職概論の2科目を履修したのち、2年次から本格的な履修が始まります。最近の史学科学生の教員免許状取得状況は以下の通りです。
<免許状取得状況>
〔中学・高校双方の資格を取得している場合があります〕
  中学1種 高校1種 総数
2007 15 19 34
2006 15 19 34
2005 9 14 23
2004 8 17 25
2003 7 8 15
2002 9 20 29
 【学芸員資格の取得】
  学芸員は博物館・資料館・史料館の展示などの企画の中心になる場合や、地方自治体の教育委員会で遺跡・史跡の調査・整備などを担当するポストが代表的なものです。ポストの数は非常に限られており、資格を有する人のうち、実際に常勤の学芸員ポストに就いている人は2〜3%程度にとどまります。本学で学芸員資格を取得した人のうち、実際に就職している人の割合は、他の大学に比べてかなり高く、5%程度となっています。ただし、学芸員として実際に就職した人は、近年ではすべて大学院修了者です
  史学科の卒業に必要な科目のほかに、本学の学芸員資格取得科目として開設されている科目や各種の実習を履修することで、卒業証書授与と同じ日に資格を受けることができます。1年次に「教育学原論」の科目を履修したのち、2年次から本格的な履修が始まります。最近の史学科学生の資格取得状況と、史学科の卒業生が学芸員として就職した機関を挙げると次のようになります。
<資格取得状況>〔学部学生〕
2007年度 2006年度 2005年度  2004年度 2003年度
29 30 27 26 19
<就職先>〔非常勤を含む〕
2006 しょうけい館
2001 芳賀町生涯学習課、物流博物館
2000 日本銀行貨幣博物館
1998 学習院大学史料館
1997 品川区立品川歴史館、熊谷市役所埋蔵文化財担当、学習院大学史料館
1996 お札と切手の博物館、三菱史料館
1995 江東区教育委員会、新宿区教育委員会、鎌倉考古学研究所
 【図書館司書資格の取得】
  図書館司書は、図書館などの保有する書籍・資料の管理や運用を行う専門職です。教員ほどではありませんが、ポストの数は比較的多いと言えるでしょう。自治体などの図書館や、初等・中等教育の学校図書館、大学の図書館などで司書採用試験を行っています。
  本学じたいには教育コースがありませんが、史学科の卒業に必要な科目のほかに、学習院女子大学に設置されているコースが開設する授業を戸山キャンパスで履修し、卒業証書授与と同じ日に資格を受けることができます。
  最近の史学科学生の図書館司書資格取得状況は以下の通りです。
<資格取得状況>〔学部学生〕
2007年度 2006年度 2005年度  2004年度 2003年度
6名 3名 4名 1名 0名
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Q4.在学中に留学したいと考えているのですが、実際はどのような様子でしょうか

 本学の学生が学籍を保ったまま外国の大学に留学する場合には、協定を結んだ外国の大学に1年間留学する協定留学と、これ以外の希望する大学に留学する協定外留学という、ふたつの場合があります。本学との間で留学生を交換する協定を結んでいて、協定留学プログラムによる派遣先となっている大学は、アジア・オセアニア・北米・ヨーロッパに、あわせて18大学があります。留学期間の経済的負担や学校生活については、留学先それぞれについてさまざまです。
  外国の協定校への留学を希望する場合、おおむね1〜2年次に募集に応募し、2〜3年次に留学することになります。募集は年2回で、第1回は韓国・タイ・オセアニアが対象で、5月に要項を配布して6月に応募を締め切り、7月に選考があったうえで、翌年4月から1年間の留学となります。第2回は中国・欧米が対象で、9月に要項を配布して10月に締め切り、11月に選考があったうえで、翌年10月から1年間の留学になります。
  史学科に在学する学生が近年において留学した大学は以下の通りです。
<史学科〔学部〕在学生の留学先大学>
2009

チュラロンコン大学〔タイ〕1名 復旦大学〔中国・上海〕1名

バイロイト大学〔ドイツ〕1名

2008 復旦大学〔中国・上海〕1名 パリ第7大学〔フランス〕1名
2007

ボローニャ大学〔イタリア〕1名

アンジェ・カトリック大学およびパリ大学ソルボンヌ校〔フランス〕1名

2003 復旦大学〔中国・上海〕1名
ディキシー・ステート・カレッジ〔アメリカ合衆国〕1名
2002  復旦大学〔中国・上海〕2名 オーストラリア国立大学1名
全ロシア国立映画大学1名〔合計2年間〕
2001 復旦大学〔中国・上海〕1名 全ロシア国立映画大学1名
オックスフォード大学マートン・カレッジ1名
2000 復旦大学〔中国・上海〕2名
 留学期間は原則として1年間ですが、必要な場合には、さらに1年間を限度として延長が認められることがあります。留学した大学で修得した単位については、30単位を上限として、本大学で修得された単位として読み換えることが可能です。また、外国の大学の多くは、9月を新学期としていますが、留学する年度の、本学における第1学期の履修と、留学後の本学における第2学期の履修を継続したものとして単位を認定することもできます。
  留学の目的は、外国語を学ぶこと、異文化に触れること、卒業論文のための材料を集めること、現地で就職するためあらかじめ経験を積むことなど、さまざまですが、留学後はその成果をとりいれた立派な卒業論文を仕上げて、研究を続けたり、一般企業に就職したりしています。
   ⇒国際交流センター
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Q5.史学科での外国語科目の履修のしかたについて教えて下さい

 本史学科では、外国語科目として、卒業するための必修科目に、外国語(I)と外国語(II)という枠組みを用意しています。
  外国語(I)では、高等学校までに、すでに授業によって習ってきた外国語(既習の外国語)について、本学の中級以上の外国語の授業を履修して、その能力を伸ばす方針をとっています。多くの人の場合、これには英語があたるでしょう。ドイツ語・フランス語・中国語をあてることも可能ですが、本学での履修を中級科目から始めなければなりませんので、大学入学までにある程度の時間をかけてなじんできた外国語が望ましいでしょう。なお、外国人学生特別入学試験で入学した学生の場合にのみ、外国語(I)に日本語をあてることができます。
  外国語(II)では、英語・ドイツ語・フランス語・中国語・ロシア語・スペイン語・イタリア語・朝鮮語・アラビア語の中から、外国語(I)として選択したもの以外のものをあて、これらの外国語科目の原則として初級の授業から履修することになります。ただし、どの外国語を学ぶ場合にも、一つの外国語について1年間以上続けて履修しなければなりません。さまざまな外国語を半年ずつ試してみても、なかなか身にはつかないため、1年間はじっくり取り組んでもらうことによって初めて一つの外国語を履修できたと認めるという方針で指導しています。なお、外国人学生特別入学試験で入学した学生の場合には、特別な理由のない限り、外国語(II)に母語をあてることはできません。 
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