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鶴間 和幸 教授
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■略歴1950年生まれ1974年 東京教育大学文学部史学科東洋史学専攻卒業 1980年 東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学 1980年4月〜81年3月 日本学術振興会奨励研究員 1981年 茨城大学教養部講師 1982年 同助教授 1985年4月〜86年1月 中国社会科学院歴史研究所外国人研究員 1994年〜96年 茨城大学教養部教授 1996年 学習院大学文学部教授 1998年 博士(文学)取得 |
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■研究テーマ・分野○中国古代帝国(秦漢帝国)の形成と地域○秦始皇帝と兵馬俑 ○東アジア海文明の歴史と環境 [近年の主要講義・演習] 東洋史概説:中国の国家と社会 |
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■主要業績
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■自己紹介 私の現在進めている仕事は、史上最初に中国という世界を統一した秦漢帝国の歴史を、地域に視点をおいて見直そうというものです。今から二千二百年前に、巨大な帝国が作られましたが、教科書に書いてあるようには統一事業は簡単ではありませんでした。秦始皇帝のときに、文字・度量衡・貨幣・郡県制などが一律化したと言われていますが、実際には複雑な地方の社会の特殊性を残したままの政治的な統合でした。私の研究では、その統一のあり方を、中国各地で発見された出土資料を、既存の文献と照らし合わせながら考察しています。そしてまた実践しているのは、実際の中国でのフィールド調査をふまえて、統一権力の実態を下からさぐっていく方法です。 |
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【私のゼミ(学部)で学ぼうとする皆さんへ】 中国古代史は時空を超えて壮大な世界を遊べる学問である一方、やはり丹念に古代中国語の史料との格闘が求められます。どのような学問にも苦なくして楽はありません。さらに中国古代史には歴史の舞台空間を踏査する強靱な肉体も必要となってきます。一年目に中国語と史学概説、二年で史料講読、ここで手を抜いた学生には、自分の興味ある研究テーマを求めるのは難しいでしょう。中国の大陸の遺跡を実際に踏破できなくても、東京にある中国古代の文物を求めて美術館を端から踏破するくらいの意欲ある学生を求めています。 |
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【私のゼミ(大学院)で学ぼうとする皆さんへ】私の大学院の東洋古代史ゼミには学習院大学の学部出身者もいれば他大学の出身者もいます。私の専門が秦漢を中心とする中国古代史ですから、中国古代史を学びたい学生が集まってきます。卒業論文はとにかく自分で好きに選んだテーマで書き上げてきます。しかし大学院の場合は少し考え方を変える必要があります。修士論文では学界でも通用する論文が求められます。好きなテーマがそのまま通用するとはかぎりません。これまでどのような研究が行われてきたのか、いわゆる研究史をしっかりおさえておくことが必要です。その上で何が書けるのか。そこではオリジナル性や創造力が求められます。史料を読み込んで新しいことをいう、これはそれほど難しいことではありません。難しいことは、その時代を新しい視点で描いていくというオリジナル性です。歴史学ではまずしっかりと史料を読める力はもっとも必要なことです。しかしさらにその時代全体を読めるような創造性ある感性が必要です。その感性は、人間として自分が生きている時代をしっかりと捉えられることによってしか獲得できません。それを歴史力と名付けておきましょう。大学院への進学は、将来のことを考えると学生にとっては大きな決断です。でも歴史学を学び、歴史学の論文を書くことが、新しい時代を生きていくことにつながると考えられたときに、大学院への進学は意義あるものになるのではないでしょうか。 私のゼミでは、いろいろな共同の作業を体験してもらっています。展覧会の開催はこれまで、四大文明展、大兵馬俑展、四川文明展などを手がけ、大学院生にも準備に参加してもらいました。モノを展示して、モノに歴史を語らせる体験は価値あるものです。また共同の研究プロジェクトでも黄土高原・秦嶺山脈・黄河下流を実地踏査し、「東アジア海文明の歴史と環境」という大きなプロジェクトでは、運河・海港・黄河下流・日本海沿岸の調査に参加してもらいました。そのなかでみずからの歴史力を鍛えることができます。 |
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Key words: Qin-Han Dynasty, the First Emperor, the East Asian Ocean |