大学院 日本語日本文学専攻 卒業生のページ

 卒業後の進路は多様です。もちろん教職に就く人が比較的多いですが、民間企業に就職する人も少なくありません。いずれの分野でも、その第一線にあって活躍し、有能な人材として評価されるケースが目立ちます。
  以下、数人の卒業生に、大学生活や近況を語っていただきました。
山田友子(YAMADA, Tomoko)
平成17年度人文科学研究科 日本語日本文学専攻 博士前期課程修了
(財)日本近代文学館勤務

   私は大学に4年、大学院に2年在学した後、2005年から日本近代文学館で働いていますが、入学した時はこのような仕事に就こうとは全く考えていませんでした。高校3年になっても将来の目標が決まらず、いっそのこと大学では就職に関係しないようなこと、自分の好きな勉強をしようと考え、国語科の先生方の薦めもあって日本文学科への進学を決めました。
 入学時のオリエンテーションで佐々木隆先生が「学習院は1年次から学科が分かれているので専門的な知識を4年間しっかり身につけることが出来る」といった趣旨のお話をなさっていたのが印象に残っていますが、先生のおっしゃるとおり、1年次から日本語日本文学について学ぶことが出来たのはたいへん良い経験でした。単位のために選択した講義が興味深い内容だったことも多く、自分の関心、知識の幅が広がったように思います。近代文学を専攻するようになったのも、あらかじめ割り振られた基礎演習のクラスで山本芳明先生にご指導いただいたことがきっかけです。山本先生は作品を読み解いていく面白さだけでなく、当時の資料を調べ、それらをもとにして論を組み立てていく面白さを教えてくださいました。演習の発表のため、明治・大正・昭和の雑誌や新聞、図書を調べていく作業はとても面白く、当時の雑誌や図書の装丁や紙の手触りにも心惹かれました。
 また、先生は効果的な発表の仕方、相手を納得させるような論の展開方法など、文学研究だけにとどまらないテクニックもご指導くださいました。ご指導いただくうちに、就職して文学から離れてしまうことが惜しくなり、更に2年大学院に残ることに決めました。
 現在の職場は、日本近代文学に関連する図書・雑誌、原稿などの肉筆資料を収集・保存・公開していくことを目的とした私立の財団法人です。就職を迫られていた院生2年の春、科の掲示板で職員募集の貼紙をみて応募しました。私にとっては学芸員資格のための実習を受けた館でもあり、論文資料を集めるためにも通っていて親しみがありました。
 現在は、図書資料の受入れ・整理を主に担当しながら、カウンター業務やレファレンス業務、講座や講演会の企画・運営の仕事にも携わっています。軽い気持ちで選んだ進学先でしたが、先生方の熱心なご指導のおかげでこのような仕事に就くことが出来、たいへん感謝しております。
 まだまだ勉強不足で至らない点も数多くありますが、文学研究に携わる方々、文学に関心をお持ちの方々のお役に立てるよう、またお世話になった先生方に少しでも恩返しが出来るよう、日々努力しています。
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鈴木幹生(SUZUKI, Mikio)
平成12年度 人文科学研究科日本語日本文学専攻 博士前期課程修了
芝中学校・高等学校教諭

   私は学習院大学に学部4年間、大学院2年間在籍していました。しかし、これは高校時代の私からは想像がつきません。高校時代に読んだ本は10冊もいきません。日本史に興味があって史学科を受験したものの、不合格、そして、なんとなく第2志望として願書に書いていた日本語日本文学科に合格させてもらい入学したのです。もちろん講義は全く興味が持てずつまらない生活が続いていたのですが、入学した年の12月に『紫式部学会』が学習院大学で開かれていたのを聴きにいったときに、『源氏』はおもしろい作品だと感じ、春休みに辞書や現代語訳を頼りに原文で読んだのが、卒論・修論で『源氏物語』を選ぶきっかけになりました。
  指導教授であった吉岡曠先生の演習は、原文に密着した訳や、厳密な語釈を要求されるもので、文学研究の一般的なイメージとかなり違った内容のものでした。私は、先生に演習で褒められたことは一度もなく、発表のたびに語釈の甘さや文章構造の把握の間違いを指摘され、ときには用例の確認に1ヶ月も発表を続けたことがありました。ただ、こういった発表が、まったくの素人だった私にとって、原文を少しは読めるようになる訓練になりましたし、言葉の一字一句もおろそかにしないようにしようという態度を身につける場になりました。
  さらに、私が恵まれていたと感じるのは、学外からいらっしゃる、素晴らしい非常勤講師の先生方にお会いできたことでした。特に吉岡先生と同じく、私の大先輩でいらっしゃる永井和子先生には、学部の2年間、演習に出席させていただき、吉岡先生とはまた違った角度から作品を読むことを教わりました。吉岡先生は学部の授業で『源氏物語』を担当されていなかったので、永井先生の演習が学部時代に『源氏物語』に接する時間となりました。先生は積極的に質問をするようにおっしゃり、発表者に対し必ず1人1回の質問をするよう求められました。そこで私は自分の意見を持ちはじめるようになり、研究のおもしろさを感じはじめたのです。
  そして、大学院に進み、今度は学習院大学に新しくいらっしゃった神田龍身先生の研究会に参加させていただき、教師として学校に勤めだした今でも参加しています。
  日本語日本文学科は、とても多くの先生方が講義や演習を持っていらっしゃるので、言葉や作品に対するいくつものアプローチを知ることができる学科だと思います。大学院を修了してもなお言葉や文学に興味が持ち続けられていることはこういった経験なくしてはあり得ないことで、先生方にとても感謝しています。

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