スタッフ紹介

山本 芳明(YAMAMOTO, Yoshiaki) 教授
山本 芳明(YAMAMOTO, Yoshiaki) 教授
■略歴
1955 年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。

■専門分野
日本近代文学
[担当授業(2024年度)]

 日本文学特殊研究(院):研究の現在―経済小説としての風俗小説
 日本文学演習:夏目漱石『門』を読む
 基礎演習TC:近代小説を読む
 日本文学研究法: 近代文学研究の現在
 日本文学講義U:市場の中の日本近代文学
 
[主要著書] 『漱石の家計簿 お金で読み解く生活と作品』(教育評論社、2018)
「文壇と市場のアルケオロジー」(「文学」、2016)
『「純文学」と「家計小説」』(「文学」、2014)
『カネと文学 日本近代文学の経済史』(新潮社、2013)
「〈文学的資産〉としての小林秀雄」(隔月刊「文学」、2004)
『大正文学年表・年鑑』(共編、ゆまに書房、2003)
『文学者はつくられる』(ひつじ書房、2000)
[所属学会] 日本近代文学会
■研究分野
私の研究対象は、1910〜80年代にかけての日本近代文学です。私の研究の特徴は、そのときどきに発生した文学現象を通して、文学史を書き直していくことにあります。その時期特有の文学現象から新たな事実や視点などを発見して、作家・作品・読者・メディア等の新しい姿を浮かびあがらせてきました。具体的には、正宗白鳥・長田幹彦・島田清次郎などの、現在では読まれなくなった作家を取り上げて。彼らの重要性を指摘したり、夏目漱石・有島武郎・小林秀雄らの神話のベールをはいでいく研究をしています。そして、作品、作家や文学現象を支えていた時代のパラダイム(ある時代に優勢なものの見方や考え方)を明らかにしていくこともめざしています。
文学活動を経済活動として考察することを続けてきて、その成果を『漱石の家計簿』にまとめました。現在、続編を構想中です。そして私小説というジャンルに関する研究も整理していく予定です。
■趣味・特技
 「趣味は何か ? 」と自分に問うてみると、やはり、実益をかねて、〈面白い〉資料や本をさがして読むことになってしまいます。いろいろなものに興味がありますが、成人以来、変わらぬ対象の一つはお酒です。
 「特技は ? 」と考えると、ヨガでしょう。インストラクターの妻の厳しい指導のもと、ヨガ歴は 20 年をこえました。
■私の授業
私が担当する授業は二系統に分かれます。一つは演習形式のもので、学生の発表とそれに対する質疑応答を中心に構成されています。学生たちの発表と発言で問題がすべて明らかになって、私は発言する必要がなくて、フラストレーションに苦しむというのが理想です。学生たちは作品分析の技術、その分析をもとに自分なりの論を組み立てること、発表と質疑応答の仕方を学んで、卒業論文作成の準備をすることになります。 2 年生以上の日本文学演習、 3 4 年生になると履修できる大学院の日本文学特殊研究と、しだいに高度な授業内容になるように設定しています。もう一つは講義形式のもので、日本文学研究法です。近代文学研究の現在を、ここ 40 年くらいの研究の動向を説明し、基本的な論文を講読しながら解説しています。
最後に、皆さんに 申しあげたいのは、多読と雑学をしてほしいということです。近代文学研究のいい所は、対象の設定や分析の方法など、ある程度自由に自分で選べることですが、一方で基礎学力が十分でない人はその自由さにとまどったり、うまく活かせないことがおこりがちです。基礎学力は基本的に読んだ本の量に比例します。日ごろからいろいろなジャンルの本にチャレンジしてください。

close