スタッフ紹介

赤坂 憲雄(AKASAKA, Norio) 教授
赤坂 憲雄 (AKASAKA, Norio ) 教授
■略歴
東京生まれ。東北芸術工科大学を経て、2011年より学習院大学に着任。

■専門分野
民俗学・日本文化論
[担当授業(29年度)]
日本文学講義U:〈うた〉のフォークロア
日本文学演習:『日本芸能史六講』を読む
日本文学演習:昔話を読む
日本文学演習(院):永井荷風の『日和下駄』を読む
[主要著書] 『ゴジラとナウシカ 海の彼方より訪れしものたち』(イースト・プレス、2014)
『3・11から考える「この国のかたち」―東北学を再建する―』(新潮選書、2012)
『岡本太郎という思想』(講談社、2010)
『旅学的な文体』(五柳書院、2010)
『増補版 遠野/物語考』(荒蝦夷、2010)
『東北学/忘れられた東北』(講談社学術文庫、2009)
『岡本太郎の見た日本』(岩波書店、2007)
『子守り唄の誕生』(講談社学術文庫、2006)
『境界の発生』(講談社学術文庫、2002)
『東西/南北考』(岩波新書、2000)
『排除の現象学』(ちくま学芸文庫、1995)
『異人論序説』(ちくま学芸文庫、1992)
『山の精神史』(小学館、1991)
   その他多数。
■研究分野
 私はこの二十年間ほど、東北地方を主たるフィールドとして<歩く・見る・聞く>仕事を重ねてきました。東北を起点として、日本文化論に多様な視座から光を当てることを目指しながら、それを<東北学>と名づけています。東アジアのなかの日本文化の探究が、いよいよ必要な時代になろうとしています。 ただ、近年は封印してきたテーマを解き放ちつつあり、あらたなステージに到り着いたと感じています。いくつかの新しいテーマが像を結びかけています。第一に、民俗学と文学とを架橋すること。日本の民俗学を創った、たとえば柳田国男や折口信夫、宮本常一といった人々は、多かれ少なかれ文学と深くかかわる仕事を残していますし、民俗学の傑作とされる『遠野物語』や『忘れられた日本人』などは、あきらかに優れた文学作品でもあるのです。第二に、紀行文学をフィールドワークを仲立ちとして読み込むこと。しばしば紀行文学のなかには、旅人のまなざしが捉えた多様なる日本が隠されており、「紀行を旅する」ことは驚きと発見に満ちた仕事となります。これまで、菅江真澄やイザベラ・バードの紀行をテクストにしてきましたが、最近は、明治以降の旅人たちの紀行に関心をそそられています。第三に、半島や岬、さらには島の精神史を掘り起こすこと。たとえば、半島には方位をたがえる力が複雑かつ微妙に交錯しており、その一端は半島をめぐる小説や紀行の読み解きを通じて浮き彫りにすることができるかもしれません。ここでも、その舞台となる土地を踏む、広くいってフィールドワークを欠かすことはできないでしょう。  いずれであれ、いま私はひそかに、未知なる研究の領域に足を踏み込んでゆく歓びに身震いしているのです。
■私の授業
 どんな形であれ、受講生には参加を求めます。講義では、時々アンケートめいたことをしますが、そこでの質問や意見には可能なかぎり応答します。私は考えるためのヒントをもらっています。また、卒論に繋がるゼミでは、私自身が拘束されることが苦手なこともあり、基本的には、みなさんの関心や問題意識を尊重し、そこから生まれてくるテーマを豊かに膨らませることを応援することになるでしょう。いずれであれ、知の悦びにきちんと身を浸した経験は、きっとそれからの人生を支えてくれるはずです。私は最近になって、あらためて文学こそ人間の神秘にもっとも深く触れることのできる、知の道具であり仕掛けなのだと感じています。ともに学びましょう。

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