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教員スタッフ紹介

田中 千穂子 教授臨床心理学

<主要著書・論文>
「母と子のこころの相談室」医学書院 1993, 改定新版山王出版 2009
「ひきこもりの家族関係」講談社+α 2001
「心理臨床への手びき」東大出版会 2002
「障碍の児のこころ」ユビキタスタジオ 2007
「プレイセラピーへの手びき」日本評論社 2011

<自己紹介>
 私は2016年4月から臨床心理学の教員として本学に勤務します。どのような授業を受け持つのか、まだわかっていないので、ここでは心理臨床家としての私の歩みを、簡単にお伝えすることで自己紹介としたいと思います。
<どこで心理臨床をしてきたか>
大学院修了後、花クリニック(開業クリニック)の精神神経科に専任のセラピストとしてはいりました。そこは赤ちゃんから年配の方まで様々な年齢の方が受診され、病態水準も多様です。まだ駆け出しだった私は、一生懸命患者さん(病院なのでクライエントとは呼ばず、患者さんと呼びます)の話を聴きつつ、わからないところは先輩の先生方やお医者さんに教えてもらいながら、セラピストとして成長してきました。この仕事はどこかで勉強すれば仕事師として何とかなるものではありません。もちろん勉強は不可欠ですがそれは基礎の学び。実際のところは現場から学ぶことが圧倒的に多いのです。それはどのように大学院教育が充実してきたとしても変わらないことです。
<ここに至るまで>
クリニックでの日々の臨床のなかで深く関心をもつテーマに出会い、セラピーの工夫を発表したり論考化し、それが学位論文となりました。1993年から1年間、ワシントンDCにあるchildren’s hospital national medical center で乳幼児の食の障碍を関係性の視点からとらえ、臨床も研究もタフにこなしているシャトーア先生に学び、1997年より14年間、東京大学大学院教育学研究科(臨床心理学コース)で教員をしました。大学に勤務していた間もクリニックでセラピーは続けました。そして2011年に大学を早期退職し、あらためてクリニックの専任セラピストに戻り、今にいたります。
<臨床と研究への考え方>
私の心理臨床は、人々のもつこころの苦悩や痛みを関係性という視点からとらえるというものです。ですのでよりよい関係性の育ちをどのように援助するか、および、もってしまった関係性の障碍を修復し、どのように自分自身を育て直していくかということがセラピーの課題となります。私の専門は、乳幼児から子ども、発達障碍などさまざまな障碍をもつ人々への心理臨床といったところになるでしょう。私はずっと現場の臨床家であることにこだわってきました。毎日毎日の大勢の患者さんとの関わりから得るものは、片手間にするセラピーから得るものとは圧倒的に違います。そんな自分だから大学に現場のなまの風を教室に送りこむことができるだろう、それこそが私がしたい、そして私にできることだと考えています。最後に心理臨床では、自分が患者さんから感覚レベルで受けとったものをどのように「ことば」にするかが問われます。ことばにするから、他者と共有することができるからです。論文を書くということは、考えていることをことば化する作業。その意味で、論文をかく(研究する)ということと日々臨床をするということは車の両輪であり、両方があいまって、私たちは心理臨床家として成長すると考えます。その意味では私にとって、臨床することと論文を書くこと、教員をすることは同じことなのかもしれません。

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