共同研究プロジェクトについて

長嶋善郎教授プロジェクト
『語彙の類義的・反義的対応に関する対照言語学的研究』
[Prof.NAGASHIMA Yoshiro]
[Prof.NAGASHIMA Yoshiro]

1.目的・内容・期待される効果など

系統的あるいは類型的に異なる言語(英語、現代ギリシャ語;日本語、韓国語;アラビア語)の語彙を対象として、 その類義・反義関係における普遍性のあり方と個別言語的特性を明らかにし、語彙類型論の可能性を探る。最終的には意味分野別の「対応語辞典」の作成を目指す。 語彙における類義・反義関係は、それぞれの言語で特有の様相を呈する。この研究では、印欧語系の英語・現代ギリシャ語、セム語系のアラビア語、類型的に膠着語 に属する日本語・韓国語と、それぞれタイプを異にし、文化的歴史的に異なる背景を持つ言語の語彙を対象として、その類義・反義関係のあり方を探る。 従来、音韻・文法の面で盛んに行われてきた類型論的研究は、語彙の分野ではほとんど成されていないといってよい。ここでは、基礎的な語彙や表現様式、特に移動 動詞、空間形容詞、感情形容詞、接続表現などについて、各言語における類義的対応と反義的対立を共通の手続きによって記述すると共に、語義における普遍性のあり方と 個別言語的特性を探り、語彙類型論の可能性を追求する。また、このような基礎的研究によって、応用面では、たとえば日本語教育に資する素材を提供したり、言語間コミ ュニケーションにおける問題点を究明したりすることが可能になる。

2.研究スタッフ

<プロジェクト代表>
・長嶋善郎 学習院大学文学部教授(日本語日本文学科)

・田中章夫:東呉大学(台湾)客員教授(元・学習院大学文学部教授)
・前田直子:学習院大学文学部助教授(日本語日本文学科)
・A.E.バックハウス:北海道大学留学生センター教授
・山田 進:聖心女子大学教授
・申 鉉竣:専修大学非常勤講師
・I.ワリード:カイロ大学文学部専任講師

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3.活動報告

14年度: 年間4回の研究会を開催し、日本語の「いい(良い)-わるい」に対応する、英語・韓国語・アラビア語・ギリシア語の語彙について扱い、その比較検討の作業を行った。 (詳細は『人文科学研究所報』2002年度版に掲載されています)
15年度:年間4回の研究会を開催し、資料の検討を中心に日本語、韓国語、英語、アラビア語、現代ギリシア語の基礎的語彙における類義語・反義語のグループを対象として意味分析を行い、 その意味関係に見られる普遍的特徴と個別言語的特徴を探った。前年度の「良い−悪い」のほかに「あがる−さがる」などの「上下移動動詞」を分析した。(詳細は『人文科学研究所報』2003年度版に掲載されています)
16年度:年間4回の研究会(うち1回は講演会を同時開催)を開催した。今回は名詞タテ・ヨコを含む「空間名詞」と形容詞の「濃い/薄い」を取り上げて検討した。籾山洋介氏(名古屋大学)による講演会、 「類義表現の諸相:認知言語学からのアプローチ」は、大学院生を含む多くの聴衆から活発な質疑応答があり、有意義な講演会となった。(詳細は『人文科学研究所報』2004年度版に掲載されています)

4.今後の活動予定

 本プロジェクトは、平成17年3月31日を以て終了いたしました。ご協力下さった皆様に厚くお礼申し上げます。なお、平成18年3月に人文叢書3『語彙的意味関係の対照研究―日本語・韓国語・英語・ギリシャ語・アラビア語の対照―』を刊行しました。


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