共同研究プロジェクトについて

斉藤 利彦教授プロジェクト
『戦時下における校友会運動部の変容と「国防競技部」の成立に関する全国的調査と研究』
[prof.Toshihiko Saito]

1.目的・内容・期待される効果など

1931年の「満州事変」に始まり、同37年の「日中戦争」、さらには41年における「大東亜戦争」への拡大と続く15年に及ぶ戦時下において、中等諸学校(中学校・高等女学校・実業学校)における校友会運動部はどのような状況に置かれ、どのように部活動を展開したのか。それを解明することは、戦時下という未曽有の危機に直面しながらも、中等学校のスポーツ活動がそれを乗りこえ、戦後さらなる進展を遂げていく重要な節目の時期の解明につながるものである。しかしながら、戦前と戦後の結節点にあたるこの時期の校友会運動部の活動とその実態については、高嶋航が『帝国日本とスポーツ』(2012年)の中で、「執筆の過程で痛感したのは、戦時期のスポーツに関する研究が驚くほど少ないということである。」(284頁)と指摘しているように、ほとんど研究されていないというのが実情である。本研究の目的は、当時の学校現場の基本資料としての『校友会雑誌』を調査・収集・分析し、かつ運動部の全国的なデータ・ベース化を行い、戦時下における校友会運動部の展開と変容の具体的な様相を実証的に明らかにしていくことである。その際、1941年3月の文部次官より各地方長官宛に、中等学校を皇国民の基礎的修練をなす場にすべきとする通牒が出され、校友会そのものが「学校報国団」へと強制的に改組された。これにより、各学校で「国防競技部(班)」が組織されたが、こうした動きが校友会運動部にどのような変容をもたらしたのかを、全国的な実態に基づき解明していく。

2.研究スタッフ

<研究代表者>
・斉藤 利彦 :学習院大学文学部教授(教育学科)

<所員>
・佐藤 陽治 :学習院大学文学部教授(教育学科)

<客員所員>
・瀬川  大 :日本女子体育大学体育学部准教授
・市山 雅美 :湘南工科大学工学部准教授

<研究補助者>
・堀田奈々絵 :学習院大学大学院 人文科学研究科 教育学専攻博士後期課程
・山口 一典 :学習院大学大学院 人文科学研究科 教育学専攻博士後期課程 ※平成29年度より
・小谷 優仁 :学習院大学大学院 人文科学研究科 教育学専攻博士前期課程 ※平成28年度のみ
・栗原  崚 :学習院大学大学院 人文科学研究科 教育学専攻博士前期課程

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3.活動報告 [活動年度:平成28年度〜平成30年度]

平成28年度:今年度は、各地の『校友会雑誌』の分析を行う中から、各種の校友会運動部に関し豊富な具体的記述が存する青森県、奈良県、京都府の三県を取りあげ、サンプル的な県として調査を行った。(以上の活動の詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2016年度版に掲載されています)
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4.今後の活動予定

研究代表者はこれまで予備的な調査として、旧制中学校および高等女学校、実業学校を前身にもつ全国の高等学校、それぞれ700校、1074校、513校に対し、戦前期の『校友会雑誌』の刊行と所蔵に関するアンケート調査を行い、その分析の一部はすでに発表してきた。(斉藤利彦編著『学校文化の史的探求』東京大学出版会2015年)こうした全国アンケート調査をもとに、本年度には、各中等学校における学校報国団の成立と「国防競技部」への展開に関する経緯と実際の活動についての記事のデータ・ベース化を行う。
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