共同研究プロジェクトについて

左近司 祥子教授プロジェクト
『ギリシア哲学の日本における受容について −プラトン、アリストテレス、プロティノス−』
[Prof. Sachiko sakonji]
[Prof. Sachiko sakonji]

1.目的・内容・期待される効果など

明治期以降日本に導入されたさまざまな哲学思想の中で、ギリシア哲学、特にプラトン・アリストテレス・プロティノスの哲学の受容史的研究を行いたい。それぞれの原書の邦訳が、いつ、誰によって、どのように刊行されたのか、主に出版の側の事情や状況を追い、その時々で、彼らの哲学が、どのような影響をどこに与えていたのか、それを調べて行きたい。同時に、戦後、それらの研究が発展していくわけであるが、その時代活躍していた研究者の中には、京都や日本各地にご健在な方(例えば、加来彰俊氏、水地宗明氏、加藤信朗氏、岩田靖夫氏、井上忠氏、岩崎勉氏、今道友信氏など)もいるため、直接話しを聞きに行くなどして詳しく調べてまとめて行きたい。

プラトン、アリストテレス、プロティノスそれぞれの哲学の研究は、戦後、日本では、世界でも5本の指には入るほど、研究が進んでいると言っても過言ではない。しかし、その研究史は、主に大学人による口伝で伝えられていたり、その時々の雑誌論文を見てその前後関係を追ったり、大物研究者の退官記念などにおける回顧の文章などから推測するしかない。また、戦後、クオリティの高い邦訳の全集がそれぞれで刊行されているが、そのときの事情やいきさつなどはその関係者の思い出にのみ残っているような状態である。さらに、そういった関係者および戦後の第一期の研究者たちの高齢化が進んでいくという今日、この仕事は急務であると考えられる。それぞれの日本における受容、研究史に関する研究はいまだかつてないため、一から行う必要があるが、便宜上、戦前と戦後でわけることにする。戦前に関する研究は、文献を探し、当たって行くことが中心となるだろう。また、プロティノスに関しては、西田幾多郎の蔵書(京都にある)の中に全集があり、かなりの書込みがされていたということなので、そちらも当たってみたいと考えている。戦後に関する研究では、文献を当たることはもちろんのこと、京都を中心に日本各地の研究者や出版関係者にお会いして直にお話を聞かせて頂こうと考えている。

2.研究スタッフ

<プロジェクト代表>
・左近司祥子:学習院大学文学部教授(哲学科)

・酒井   潔:学習院大学文学部教授(哲学科)
・杉山  直樹:学習院大学文学部助教授(哲学科)
・岡野利律子:学習院大学非常勤講師
・小島  和男:学習院大学非常勤講師
・小川  彩子:学習院大学非常勤講師

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3.活動報告

17年度:主な活動として、戦後日本で出版された、プラトン、アリストテレス、プロティノスらの哲学、また西洋哲学史に関する書物のデータベース作成を行った。完成した暁には、インターネット上で検索、閲覧可能なものにしたいと考えている。また、東北大学において荻原理氏にインタビューを行った。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2005年度版に掲載されています)

18年度:昨年度に引き続き、戦前に日本で出版された古典ギリシア哲学関連の書籍の関するデータベースを完成させた。また、岩波全集出版当時に活躍されていた研究者の著作から、その当時大学で行われていた講義名や講義内容、周辺人物の相関関係を洗い出す作業、および、プロジェクト最終年度に当たる来年度開催予定のシンポジウムと書籍刊行に向けての準備も行った。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2006年度版に掲載されています)

4.今後の活動予定

平成19年度はプロジェクト最終年度であり、これまでの研究調査の成果をシンポジウムや書籍出版という形で発表出来ればと考えている。年度前半には具体的な情報をそろえ、年度後半でシンポジウムを開催、それらの内容をまとめた書籍を来年度終わりから再来年度前半にかけて出版する運びでプロジェクトを進行させる。 また、シンポジウムの日取りが決定し書籍出版の見込みが立ち次第、データベースと併せてHPを立ち上げたいと考えている。


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