共同研究プロジェクトについて

鈴木 健一教授プロジェクト
『江戸古典学の系譜に関する総合的研究』
[prof.Kenichi Suzuki]

1.目的・内容・期待される効果など

江戸時代の古典学全体に目配りをして、その系譜を丁寧に辿る。その上で、契沖まで、契沖、賀茂真淵、上田秋成、本居宣長、宣長以後というような個別な ありかたについての分析も行う。そして、「江戸古典学」に関する、大局的な流れと個々の事象の有機的な関連を記述していくことが最終的な目標である。 以下、具体的に記す。〔契沖まで〕松永貞徳、林羅山や後水尾天皇が関わった古典注釈の位置付けを行う。〔契沖〕下河辺長流らの先駆的業績との関わりや 古文辞学からの影響を検討する。〔賀茂真淵と本居宣長〕真淵についての研究は不十分な点が多い。この点をさらに具体的に探究する。宣長についても、より精査していく。〔上田秋成〕注釈行為と物語の創作とが高次において統合されている、その意味を問う。〔宣長以後〕本居宣長以後も国学はさかんに行われた。その様相を見極め、近代へと続いていく道へと記述していく。

2.研究スタッフ

〈研究代表者〉
・鈴木 健一 :学習院大学 文学部教授(日本語日本文学科)

〈所員〉
・安部 清哉 :学習院大学 文学部教授(日本語日本文学科)

〈客員所員〉
・杉田 昌彦 :明治大学教授
・田中 康二 :神戸大学教授
・西田 正宏 :大阪府立大学教授
・山下 久夫 :金沢学院大学名誉教授

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3.活動報告 [活動年度:平成25年度〜平成27年度]

平成25年度:参加メンバーによる2回の打ち合わせを行い、方向性を確立するとともに、報告と自由討議を行った。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2013年度版に掲載されています)

平成26年度:ワークショップ<江戸古典学の世界へようこそ>を開催した(8月30日)。2015年3月、本年度夏以降の研究成果を持ち寄った、スタッフ全員による自由討議を行い、外部研究者もお呼びして発表していただいた。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2014年度版に掲載されています)

平成27年度:計2回の打ち合わせを行った。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2015年度版に掲載されています)
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4.今後の活動予定

人文科学研究所での、本プロジェクトは終了いたしました。ご協力くださった皆様にあつく御礼申し上げます。
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5.研究成果

以下を刊行いたしました。
鈴木健一『古典注釈入門 歴史と技法』(岩波書店、2014年10月)
田中康二『本居宣長』(中公新書、2014年7月)
田中康二『本居宣長の文学史』(ぺりかん社、2015年12月)
鈴木健一編『形成される教養 十七世紀日本の〈知〉』(勉誠出版、2015年11月)(鈴木の総論、及び西田正宏「伝授と啓蒙と 松永貞徳『なぐさみ草』をめぐって」を所載)

研究成果に基づく以下の論文が掲載されました。
田中康二「『源氏物語玉の小櫛』受容史」(日本文藝研究、2014年10月)
杉田昌彦「宣長源氏学における引歌意識の萌芽─『源氏物語抜書』其之一(2)をめぐって」(国語と国文学、2014年12月)
山下久夫「『菅笠日記』の挑戦─神仏混淆真っ只中での「古へ」─」(鈴屋学会報、2014年12月)
杉田昌彦「宣長における『源氏物語』の総体的評価─“師”としての紫式部─」(文芸研究、2015年3月)
小島康敬・ツベタナ・クリステワ・田中康二・苅部直・高橋文博「越境する日本思想史─思想と文学の垣根越え」(日本思想史学、2014年9月)(田中康二氏が昨年度参加したシンポジウムの活字化)
Suzuki Kenichi「On the Study of Early Modern "Elegant" Literature」『学習院大学研究年報』62輯、2016年2月

以下の発表が行われました。
西田正宏「添削と注釈と」(和歌文学会12月例会口頭発表、於大妻女子大学)
同「契沖と中世日本紀」(京都産業大学日本文化研究所、9月24日)
同「契沖の志向─『古今余材抄』を手がかりに」(関西大学アジア文化研究センター30回研究例会、11月28日)など

そのほか、以下の成果が公刊されています。
田中康二「擬古文再考─村田春海『琴後集』「文集の部」を読み直す」(『江戸文学を選び直す』笠間書院、2014年6月)
同「縁語」(『和歌のルール』笠間書院、2014年11月)など


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