共同研究プロジェクトについて

高田 博行教授プロジェクト
『ドイツ語の話しことばに関する総合的研究』
[Prof.Hiroyuki Takada]
[Prof.Hiroyuki Takada]

1.目的・内容・期待される効果など

本研究は、ドイツ語を対象言語として、話しことばの本質に迫ろうとするものである。規範主義的言語観からすると、話しことばは書かれたことばの「崩れた形」であると捉えられてしまうことがあるが、本研究はそのような価値評価からは離れて、話しことばに観察される多岐にわたる特徴を(日独両語の対照研究を含む)言語学的見地から整理・分析し、話しことばの全体像を把握することを目指す。そのうえでさらには、得られた知見を言語教育へ応用する可能性についても考察を加える。
 ドイツではドイツ語研究所(IDS)を中心にして1970年代から話しことばの大規模なコーパス(データ)が作成され、着実に研究成果をあげてきたが、わが国のドイツ語研究においては話しことばに関する研究はまだほとんど行われていないのが実情である。話しことばを研究対象とするにあたっては、単に形態論・統語論的特徴を調査することにとどまらず、ラングを対象とする体系言語学が切り捨ててきたさまざまな要素(話し手と聞き手の存在、発話の状況・文脈、社会的関係など)を扱う必要性がある。また、現在および過去の文学作品における会話文の分析も興味深い研究課題である。研究スタッフに、理論言語学、社会言語学、語史研究、言語教育研究、文学研究等を専門とする研究者を擁する本研究は、今述べたような意味でのドイツ語の話しことばに関する総合的な研究への基礎づくりに貢献するものである。研究にあたっては、国内のみならず国外の専門家を多く招聘して、話しことば研究の動向、最近の成果についての理解を深めるよう努める。

2.研究スタッフ

<プロジェクト代表>
・高田 博行:学習院大学文学部教授(ドイツ語圏文化学科)

・岡本 順治:学習院大学文学部教授(ドイツ語圏文化学科)
・渡辺   学:学習院大学文学部教授〈ドイツ語圏文化学科〉
・保阪 良子:学習院大学文学部准教授(ドイツ語圏文化学科)
・井出 万秀:立教大学文学部教授
・三瓶 愼一:慶應義塾大学法学部教授
・中川 慎二:関西学院大学経済学部准教授
・新田 春夫:武蔵大学人文学部教授
・浜崎 桂子:神戸市外国語大学外国語学部准教授
・星井 牧子:早稲田大学法学学術院准教授
・山下   仁:大阪大学大学院言語文化研究科准教授
・橋本由紀子:東京理科大学理学部非常勤講師(平成18年度)
・白井 宏美:関西学院大学非常勤講師(平成19年度)
・細川 裕史:学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程(平成18年度より) 

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3.活動報告

平成17年度:形態論的・統語論的分析を中心に研究を進めた。また、夏には所員が2度にわたって「ドイツ語研究所」IDSを訪れ、当該セクション主任であり話しことば研究の第一人者であるWerner Kallmeyer教授をはじめ数人の研究スタッフとドイツ語の話しことばの研究法をめぐる情報収集と意見交換を行った。3月にはKallmeyer教授を日本へ招聘して、ワークショップおよび講演会を行った。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2005年度版に掲載されています)
平成18年度:談話分析、社会言語学的分析および歴史語用論的分析を行い、その目的のために所員の外国出張および国内外の研究者の招聘を行った。(詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2006年度版に掲載されています)
平成19年度:これまでの研究と議論を集約し日独両語の対照研究との関連性も考慮しながら、言語教育への応用可能性について研究を進めた。会合を3回行ったほか、 海外調査として、ハノーファー大学、マクデブルグ大学、ドイツ語研究所にて資料収集や討議を行った。 (詳細は『学習院大学人文科学研究所報』2007年度版に掲載されています)

4.今後の活動予定

本プロジェクトは平成20年3月31日をもって終了致しました。
ご協力くださった皆様に厚く御礼申し上げます。


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