大学院人文科学研究科

概要説明

大学院への進学


興味のあるテーマについて4年間研究をしたあなたは、それだけではもの足らなく思い、もっと研究を深めたいと感じるかもしれません。あるいは、将来の進路のため、資格取得のために、さらに専門的な知識を得たいと思うかもしれません。大学院は、そんな人のための研究教育機関です。
学習院大学には、大学院人文科学研究科があり、例年、数十名が進学しています。大学(学部)とは独立した機関ですから、入学試験があります。他大学の大学院に進む人もありますが、各分野で一流の研究者を揃えた学習院の大学院へと、他大学から入学してくる学生もまた少なくありません。
人文科学研究科のスタッフは、基本的に文学部のスタッフと同じです。学部の授業では入門的なことを扱う教員も、大学院ではより自らの専門に即したレベルの高い授業を開講しているというわけです。

【専攻】
人文科学研究科は専攻に分かれています。現在設置されているのは次の11専攻です。

■哲学専攻(哲学・思想史)
■美術史学専攻(日本美術史・西洋美術史)
■史学専攻(日本史・東洋史・西洋史)
■日本語日本文学専攻(日本文学・日本語学・日本語教育)
■英語英米文学専攻(イギリス文学・アメリカ文学・英語学)
■ドイツ語ドイツ文学専攻(ドイツ文学・ドイツ語学)
■フランス文学専攻(フランス文学・フランス語学)
■心理学専攻(心理学)
■臨床心理学専攻(臨床心理学)
■教育学専攻(教育学)
■アーカイブズ学専攻(記録史料学)
■身体表象文化学専攻(表象文化学・演劇学・マンガアニメーション学)

 
大学院生数1639394619 7121834192621296
2016年6月現在

 【経験と意見】
石川 温子さん
美術史専攻
石川 温子 さん
現在、私は美術史学専攻の博士後期課程に在籍し、鎌倉時代の仏教美術について研究しております。個々の作品がどのような信仰・思想的背景をもっているか、それを表現するためにどのような手法が用いられているのかという点が主な問題関心です。 例えば経典に依拠する同じ主題の絵でも、その思想的解釈が異なれば表現手法も異なり、その差異は作品の個性となります。 そうした個別性の中から、当時の人の価値観や真摯な信仰の具体的な有様を窺えることにおもしろさを覚えるのです。 私の場合、このおもしろさをもっと探求したいとの思いから大学院進学を決めました。大学院では日々の授業の他に多くの活動を行います。東北から九州、更にはアメリカ等海外の様々な博物館や寺社へ調査に赴き、作品を拝見・撮影し、その調査情報を元に研究を進め、学会発表や論文執筆への結実を目指します。 特に調査で作品を間近にできることは美術史の醍醐味です。こうした活動に加え、先生方の手厚いご指導受けられ、多くの朋輩と切磋琢磨できる本専攻の環境は、美術史を志す人にとっては格好の学び場と言えると思います。

園木 薫子さん
フランス文学専攻
園木 薫子 さん
 フランス文学専攻では、文学、思想のみならず、演劇、シャンソン等、各々の関心に沿って各学生が研究をしております。大学院生を、研究者という立場で対等に扱ってくださる教授からの御指導は、時に厳しくもございますが、教授陣は常に私共の意思を尊重しながら、熱心且つ適切なご指摘をして下さいます。 学生は、各自が興味を持つ分野に関して随時勉強会を実施する等して、積極的に学びの場を共有しながら、日々研鑽を積んでおります。また、教授主催の講演会が頻繁に開催され、その後に行われる懇親会では、フランスからお越し頂いた作家や研究者の方と直接お話する貴重な機会や、他大学の教授や学生との交流もございます。こうした中で、自分の研究対象とは異なる分野についても視野を広げ、学びを深めることが出来ます。 膨大な蔵書、専用の研究室等の恵まれた環境に身を置きながら研究に没頭する日々は、多忙ながらも大変充実したものです。大学院は専門性を高めるだけでなく、物事を多角的に捉える能力を養う場であると言えるでしょう。

三輪 健太朗さん
身体表象文化学専攻
三輪 健太朗 さん
 私は身体表象文化学専攻の博士後期課程に在籍し、マンガの研究を行っています。マンガはエンターテインメントとして、また大衆文化として、現代日本に広く根づいていますが、大学における「マンガ研究」というのは、まだまだ草創期の分野です。 伝統的に学問の対象とされてきた他の分野と比べ、基礎的な理解や方法論も定まっていません。しかしそれは、だからこそ研究者一人一人がマンガを研究するための方法やその意義を見つけ出していかなければならないということです。 そこで私は、「マンガと映画の比較メディア論」という主題を掲げ、他のジャンル(映画)との比較研究という方法によって、近代文化史におけるマンガの位置づけを明らかにすべく、研究を進めてきました。 当専攻には、マンガのほかに映像芸術や舞台芸術のコースが用意されており、それらのゼミや先生方の存在がこのような研究の支えとなりました。その成果は修士論文とそれをもとにした書籍の出版によって発表しましたが、現在は議論をさらに拡張した博士論文を準備中です。


【博士前期課程・後期課程】
大学院は、前半2年間(最長4年)の前期課程、後半3年間(最長6年)の後期課程からなります。
後期課程にまで進むのは、ほとんどの場合、大学教員をはじめとした専門的な学術研究者を志すためです。前期課程に比べると定員もはるかに少なくなっていますが、学習院からは個性ある研究者が数多く巣立っています。
対して前期課程への進学に関しては、目的も多様であり、それに応じて近年入学者数も増加の傾向にあります。
たとえば、高等学校教員の専修免許取得のためには、前期課程の修了が要件となっています。また臨床心理士資格も、大学院の前期課程修了を前提としており、資格認定協会が指定した指定大学院を出ている必要があります。本学の心理学専攻も2002年から第二種指定大学院に認定され、少人数指導による密度の高い実践的教育が行われています。また、博物館などで活躍する学芸員を目指す場合にも、必要な専門的知識を学ぶために大学院に進学することは実質上不可欠のこととなっています。
もちろんそれに限らず、一度大学を卒業した社会人の方が改めて研究に取り組みたいと入学を希望するケースなどもあります。当然のことながら、研究する意欲を持つ人に対しては、大学院の扉は等しく開かれています。