緑釉狗明器

資料情報

史料館番号:史料館5/『標本原簿』名称:緑釉狗/『標本原簿』番号:25/製作地域:中国/製作時期:漢~晋時代/陶製/4.8 cm×4.3 cm×5.4cm/数量:1点

解説

2匹の並立する狗(イヌ)の陶製明器〔めいき〕(陶俑)。上半部に施釉がなされている。イヌは狼が家畜化された動物で、古代中国では愛玩用・狩猟・祭祀・娯楽・番犬・食用などさまざまな場面で登場する。

イヌの陶俑は河南・湖北・陝西・四川の漢墓から多く発見されている。漢の皇帝・景帝の陽陵からは、458点のイヌの俑が山羊・綿羊・猪(ブタ)や鶏などの家畜俑とともに出土している。冥界の案内役としての役割を有することもあり、一般的な漢墓からは1つの墓あたり1匹のイヌの陶俑が出土する。本品のような2匹の並立型で5cm以下の小型のものはほとんど見られない。

旧制学習院歴史地理標本室の原簿には「緑釉狗」とあり、江藤濤雄氏より大正11年(1922)に15円にて購入した。

(村松)