宜子孫銘方磚

資料情報

史料館番号:史料館93/『標本原簿』名称:漢宜子孫磚/『標本原簿』番号:68/製作地域:中国/製作時期:漢時代/陶製/32.5 cm×29.6 cm×5.8cm/数量:1点

解説

方磚〔ほうせん〕とは方形の焼いたレンガのこと。建築物の床やレリーフとして用いられるが、本品は漢代の墓の内部を飾る磚と考えられる。

磚の表面には「宜子孫/富番[繁]昌/楽未央」と記されている。子孫が富み繁栄し、長く楽しみ、その繁栄が尽きることがないようにという願いを示している。本品とは字体がやや異なるが、同じ文面の磚が河南省許昌市の漢墓より発掘されている。「昌楽未央」「長楽未央」という言い回しは、磚や瓦当・銅鏡に多く見られる吉祥語である。漢の長安城には「長楽宮」や「未央宮」という宮殿が建設された。

旧制学習院歴史地理標本室の原簿には「漢宜子孫磚」とあり、江藤濤雄氏より大正14年(1925)に33円にて購入した。

(村松)