名山勝概図 請求番号721/130

書誌情報

名山勝概圖 三巻 / (日本)鈴木雍(芙蓉)撰 / 享和元年(1801)序 / 刊行 千鍾房 / 刊本 / 3冊 / 行数字数不等 / 四周単辺 / 無界 / 白口 / 魚尾無 / 断句無 / 縦26.1cm×横18.4cm / 框高19.2cm / 旧蔵印「本山文庫」

解説

『名山勝概図』は、外題に「唐土名山圖會」とあるように、中国各地の名山の図絵を収めた書である。全55枚の図絵は、江戸時代中・後期の南画家、また徳島藩蜂須賀家の御用絵師として知られる鈴木雍(芙蓉、1749~1816)によって描かれたもの。本書の刊行年は未詳であるが、芙蓉の自序に「享和改元(1801)小春」と見える。

本書は江戸の書肆、千鍾房による刊本。同書肆からは、芙蓉の出世作といわれる『費氏山水画式』(天明7年・1787刊)や、『熊野遊記並名勝図画』(寛政13年・1801刊)なども出版されている。また本書の大尾には、芙蓉の師とも弟子ともされる南画家、谷正安(文晁、1763~1841)『日本名山図絵』の広告が見える。

なお本書の各冊冒頭には、「本山文庫」の旧蔵印が見える。これはおそらく、大阪毎日新聞社長、貴族院勅選議員を務めた本山彦一(1853~1932)の蔵書であることを示すものである。本書にはまた東京神田の古書店一誠堂の貼紙として「ISSEIDO/東京神田」とあることから、もと本山彦一の所蔵であったものが、一誠堂を経て、本研究所に移ったものであると思われる。

(中嶋)

参考

  • 村沢武夫『鈴木芙蓉伝 付・飯田画壇と絵馬』(郷土出版社、1983)

(表紙・巻天)

(表紙・巻地)

(表紙・巻人)