杜工部集 (澤口東洋文化研究所旧蔵)

書誌情報

杜工部集 二十巻 / (唐)杜甫 撰、(明)王世貞[等] 評 / 光緒2年(1876) / 刊行 翰墨園 / 刊本 / 10冊 / 8行20字 / 左右双辺 / 無界 / 黒口 / 双魚尾 / 断句無 / 縦29.9cm×横17.0cm / 框高17.1cm / 旧蔵印無 / 澤口東洋文化研究所旧蔵

解説

唐の杜甫(712~770)の詩集に、明の王世貞(弇洲)・王慎中(遵巖)、清の王士禛(阮亭)・宋犖(牧仲)・邵長蘅(子湘)ら五家の評を附したもの。杜甫の詩は墨で刷られ、五家の評は、それぞれ紫・藍・朱・黄・緑と色を変えた頭注や傍注で記される套印(とういん、多色刷のこと)本。帙には「五色套印杜工部集」とある。他に『陶淵明集』などの套印本を出版したことでも知られる広東の翰墨園(かんぼくえん)から、光緒2年(1876)に刊行された。

本書はもと学習院大学教授 澤口剛雄(1902~1995)の旧蔵書。澤口は中国文学研究者で、唐宋の詩や楽府の分野で大きな功績をあげた。その蔵書は澤口東洋文化研究所として埼玉川口の旧宅に収められていたが、平成24年(2012)遺族により、本書を含めた一部が学習院大学の東洋文化研究所に移された。

(中嶋)

(第一巻 表紙)