研究室紹介
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教授プロフィール

生物を見たとき、「いかにも生物らしい」という特徴はたくさんあります。食べること(食作用)、増えること(繁殖)、自分の体を守ること(免疫機構)。そして何より、「動くこと」です。まるで意志を持っているかのように動くものを見れば、おや、これは生き物だなぁと素直に感じることができると思います。そして面白いことに、人間を含めた大きな動物だけではなく、たった一個の細胞でできている生物(大腸菌やミドリムシ、マイコプラズマなど)も、自在に動く機能を備えています。動物の体の中においても、体の中の大部分の細胞が、それぞれ動く機能を備えています。
こういった動きをつかさどる主役が「分子モーター」です。ほとんどの分子モーターはタンパク質だけでできており、数個から、複雑なものでは数10個の部品で作られています(タンパク質の複合体において、それぞれの部品はサブユニットと呼ばれます)。この分子モーターの動く仕組みについては、1990年代より急速に理解が進んできており、代表的な分子モーターであるキネシンとミオシン、そして回転モーターであるべん毛モーターやATP合成酵素についてたくさんのことが分かってきました。生命科学専攻の西坂研究室では、独自に開発した特殊な顕微鏡を用いて、1個の分子が生み出す動きと化学反応をダイレクトに画像化する研究を進めています。

プロフィール

現職 学習院大学理学部 教授 (Professor, Faculty of Science, Gakushuin University)
専門分野 生物物理
担当講義 力学基礎1、生物物理学1、 基礎科学実験、物理実験1、物理学輪講、
物理学特別研究、生命科学特別演習、生命科学特別研究、応用物理学V
略歴
  • 1991年  早稲田大学理工学部卒
  • 1993年  早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了
  • 1993年  日本学術振興会特別研究員-DC
  • 1996年  早稲田大学大学院理工学研究科博士課程修了
  • 1996年  博士(理学)の学位取得(早稲田大学)
  • 1996年  日本学術振興会特別研究員-PD
  • 1998年  科学技術振興機構CREST研究員
  • 2001年  情報通信研究機構研究員
  • 2003年  学習院大学理学部助教授
  • 2003年  科学技術振興機構さきがけ研究員兼任
  • 2007年  学習院大学理学部准教授
  • 2008年  学習院大学理学部教授(現在に至る)

これまでの研究活動

平成8年8月 平成8年8月 早大 物理 石渡信一研究室にて、筋収縮の動作機構を1分子レベルで研究
平成10年3月 デューク大学医療センター(米 ノースカロライナ州)細胞生物学科 Michael P. Sheetz 研究室にて、細胞 運動における細胞外マトリックスの役割の研究
平成13年3月 CREST 木下一彦研究室にて、回転モーター蛋白 F1-ATPase のエネルギー変換機構の研究
平成15年4月 独立行政法人 通信総合研究所 関西研究センター 生体物性グループにて、生体分子の向きを 1分子レベルで可視化する新しい顕微鏡の開発・応用
現在 学習院大学 理学部 物理学科にて、新しく独立した生物物理の研究室を立ち上げる
日本語の総説
西坂崇之、政池知子「F1-ATPaseの化学-力学カップリング:1分子の反応を顕微鏡でとらえる」生物物理 47 (2), 118-123 (2007) Full Text Available

受賞

研究室について

現在進行中のプロジェクト

日本学術振興会
最先端・次世代研究開発支援プログラム
医療への応用を目指した高解像3次元ナノマニピュレーション技術の開発
(平成23年2月-)

終了したプロジェクト

科学研究費補助金 特定領域研究
「膜超分子モーターの革新的ナノサイエンス
3次元を検出する新しい原理の光学顕微鏡で解明する膜超分子モーターの作動原理
(平成18年10月-平成23年3月)
新エネルギー 産業技術総合開発機構 細菌の運動を3次元で追跡できる医療への応用を目指した新しい光学顕微鏡の開発
(平成18年5月-平成22年5月)
科学研究費補助金 特定領域研究
「生体ナノシステムの制御」研究分担者
キネシンによる細胞内輸送の制御機構の解析 (平成15年10月-平成20年3月)
科学研究費補助金 若手研究A ミリ秒の高時間分解能を持つ新しい蛍光顕微解析系の開発
(平成16年4月-平成19年3月)
科学研究費補助金
個人型研究 “さきがけ”
蛋白質1個における局所的構造変化の可視化 (平成15年10月-平成18年12月)
文部科学省 学技術振興調整費
若手任期付研究員支援
1個の生体超分子の局所的な構造変化の検出 (平成13年10月-平成15年3月)

一緒に研究をする学生さんの募集

西坂研究室では、常時、修士課程と博士課程の学生を募集しています。物理学の知識と技術を使って生物を研究したい方、また細胞生物学、分子生物学に興味のある学生さんは、ぜひ西坂研を訪ねてみて下さい。
 近い将来、ホームページを充実させる予定ですが、今の版では研究の内容や成果など分かりにくくなっています(申し訳ありません)。実際にイメージをつかむには、研究室を見てもらうことが一番です。それ以外では、NEWSにある研究プロジェクトのHPを閲覧すれば、研究対象や手法などが分かってくるかも知れません。
 また、生物物理学の講義を聴講していただくのも良いかと思います。私の講義では、主にタンパク質科学の話をしますが、細胞運動や最新の研究手法などの話も織り交ぜます。『生物物理学とはどのようなものか』『西坂研究室ではどのような研究を行うことができるのか』雰囲気がつかめてくると思います。
一般向けの解説として、理学部の教員紹介のページをご覧下さい。
お時間のある方は、テレビ番組 サイエンスチャンネル「夢を語る研究者たち」で放映された、近年の西坂の研究成果をご覧下さい(約30分)。
専門的な研究内容に関する日本語の総説も見ることができます。

学習院大学から進学される方へ、ひと言

さまざまな情報が簡単に手に入るように見える今の時代に、じっくり腰を据えて学問に取り組むことは、ともすると時代に逆行する作業に思えるかも知れません。しかし自然に対する本当の意味での深い理解、そして科学技術を支える基礎的な学問は、たゆまぬ勉強と研鑚という地道な作業からしか生まれ得ないと思います。検索を思索へと転じ、1つのことにひたむきになることを恐れず、魅力的な生物物理学という世界に足を踏み入れて欲しいと思います。

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