創立50周年記念講演会は、無事終了いたしました。 お忙しい中、講演会にお出かけ下さったみなさん、 お世話になったすべてのみなさんに心から感謝いたします。 また、主催者側の準備の不手際により一部のみなさんにご迷惑や余分なご負担をおかけしたことを深くお詫びします。
記録のため、講演会の案内を以下に残しておきます。
講演会実行委員 田崎晴明
この度、これを記念し、下記のように本理学部関係者による創立50周年記念講演会を催すはこびとなりました。 ご興味をもたれているすべてのみなさんに、本講演会にご参加頂き、学習院大学理学部へのご理解を深めて頂きたく、ご案内申し上げます。
講演会は、入場無料です。 予約等は必要ありませんが、学校などからまとまった人数でご参加になる場合は、 あらかじめ、下記連絡先まで、参加人数の概数をお知らせいただければ幸いです。
1999年9月
学習院大学理学部長 川 路 紳 治
五十周年事業実行委員長 三浦 謹一郎
高見沢 稔(元信越化学工業株式会社研究所長、化学科第1回卒)
「シリコン樹脂を中心とした研究開発の歴史」
芳沢 光雄(城西大学教授、数学科第9回卒)
「分岐点に立たされた日本の数学教育」
元物理学科教授、理学部長、大学長。
理学部の初期を語る際には決して忘れることのできない「理学部の顔」のお一人といっていいだろう。 薄膜・固体表面の研究を進められるかたわら、物理学者集団ロゲルギストの一員として、 雑誌「自然」に数々の科学エッセイを発表。 それらをまとめた各五冊の『物理の散歩道』(岩波)、『新物理の散歩道』(中央公論)は、今日まで世代を越えて読み続けられる一大ベストセラーとなった。 日本語教育にも大いに力を入れられた。 中公新書の『理科系の作文技術』は、 理科系という枠を越えて、幅広く読まれている。 応用物理学会会長、国際光学委員会副会長などをつとめた。 1959 年から 1971 年まで学習院輔仁会山岳部長、 1996 年からは日本山岳会名誉会員。 他の著書として木下是雄集 1 『物理の樹』、同 2 『山ひとスキー』、 同 3 『日本人の言語環境を考える』(晶文社)など。
湘北短大学長、元株式会社ソニー総合研究所長
物理学科第7回卒業生
一言でいえば、「CD を作った人」である。 物理学科を卒業後、ソニー株式会社に入社し、 トリニトロン方式のカラーテレビの共同開発、フィリップス社との共同でのコンパクトディスクの開発など数多くの仕事を手がけた。 毎日工業技術賞、大河内記念技術賞、紫綬褒章など多数の賞を受賞している。
元信越化学株式会社 研究所長
化学科第1回卒業生
大学院自然科学研究科修士課程を修了。 信越化学株式会社に入って40年間にわたり、いろいろな用途があるシリコーン事業の 発展に大きく貢献した。直江津工場の研究所長を経て、信越化学の中央研究所である コーポレート・リサーチ・センターの所長を務めた。 科学技術庁長官章、紫綬褒章を受章している。
城西大学数学科教授
数学科第9回卒業生
数学科を卒業後そのまま大学院に進学、 数学科助手、オハイオ州立大学特別研究員、慶應義塾大学助教授などを経て、現職。 数学科としては最初の博士号取得者でもある。 専門は群論、組み合わせ論などだが、 近年では現在の数学教育の形骸化の流れを変えるべく、様々な場で活発な主張を続けている。 四年前の『数学が日本を救う!』から最近の『数学屋台』まで、 数学的なものの見方の重要性とおもしろさを紹介する多数のユニークな著書がある。 この六月に共著で出版した『分数ができない大学生』は大きな反響を呼び、 朝日新聞の書評にも取りあげられた。 講義、とくに非専門家向けの講義の面白さには定評があり、非常勤講師とし て学習院大学で講義したときは立ち見が出るほどの人気であった。 (芳沢先生の教え子の方によるご本の紹介をご参照下さい。)